若年労働者による若年労働者のためのツールキット開発
2024-10-11
10月にフランス、フィンランド、日本、フィリピン、インドネシア、ドイツ、エスワティニ、シンガポール、スウェーデンの15組合から、28人の若いホワイトカラー労働者とオルグがジュネーブに集まった。この行事の目的は、若年ホワイトカラー労働者の特定のニーズに取り組み、彼らを労働組合に引きつけて動員する方法を調べ、よりよく代表することだった。
若年ホワイトカラー労働者は、移動性が高く、自分で交渉する傾向があり、組合に対して否定的な見方をしているため、組織化が難しい場合が多い。
「若年ホワイトカラー労働者は傘下組合の現在であり、未来だ。彼らの話を聞いて、傘下組合で居場所を広げる必要がある」とコリン・シェウィン・インダストリオール・ホワイトカラー労働者共同部会長は言う。
パネルで職場問題、組織化戦略、コミュニケーションを取り上げ、小グループで理想的な組合モデルと戦略的アウトリーチについて議論した。
フランス、フィリピン、ブラジル、エスワティニの労働者が願望と懸念を共有した――フィリピン:組合つぶしの不安。フランス:雇用保障、接続しない権利の課題、柔軟性の不足および有意義な仕事をめぐる懸念。ブラジル:経験に対する使用者の高い要求を満たすという課題ならびに不平等・差別問題。エスワティニ:雇用と雇用保障の欠如。
共通の願望は、雇用創出と雇用保障、ワーク・ライフ・バランス、アップスキリング、女性のための柔軟な作業場だった。
「傘下組合内部で、若年労働者が積極的に参加し、自分たちを取り上げる組合戦略を策定できるようにする環境を作ることが重要だ」とCFE-CGCエネルギーの若手インダストリオール執行委員ロマン・ダルジャンは言う。
このグループの理想的な組合に関する議論から、願望と現実のギャップが明らかになり、代表、透明性、コミュニケーションおよび若年労働者の権利拡大の欠如が浮き彫りになった。参加者は、対面コミュニケーション、早期組合教育、組合内部における多様性拡大の必要性を強調した。
参加者たちは、若年ホワイトカラー労働者は組合に対して否定的な見方をしており、「組合は社会の多様性を代表しておらず、メディアで不正確に伝えられることが多い」と感じている、と述べた。参加者は、このイメージを改善するために、積極的なコミュニケーションにより、ソーシャルメディアを利用して労働組合が先を見越した活動主体であることを示すよう提案し、簡潔なメッセージを送って効果的に若者に接触する必要があると強調した。
日本、フィンランド、ガーナから参加したパネリストが、若年ホワイトカラー労働者の組織化戦略を共有した。若年労働者向けの訓練給付と加盟費の課題が新たな問題だった。一部の組合はゲームイベントを企画したり無料のコーヒーを提供したりして交流を奨励し、労働組合に関する認識向上と教育の場を設けた。
若年労働者とのコミュニケーションに関するセッションで、対象者を理解することの重要性が強調された。シンガポールとスウェーデンからの参加者が経験を共有、若年労働者は対面の交流を好むと指摘し、政府と協力して組合をホワイトカラー労働者にとって魅力的な存在にする必要があると述べた。スウェーデンの組合は、労働者が学生から従業員に移行するのを援助するうえでの課題を強調し、労働組合は学生と若年ホワイトカラー労働者がもっと安心して組合に加入できるようにすることが重要だと力説した。
専門家オルグのアーロン・チャペルが、戦略的組織化キャンペーンについて発表した。参加者は、仕事のあとに会話を始めたり、ランチミーティングを主催したりするといったシナリオを実際に演じた。
ガーナの代議員が、WhatsAppやフェイスブック、インスタグラムのようなプラットフォームを使ったオンライン組織化の実例を発表し、的を絞った組織化の利用や労働者のニーズの把握について話した。ビラ配りや若年労働者の心に訴えかけるキャッチフレーズの利用による、ターゲットを絞らないアプローチの例も示した。課題として、不安定雇用と、組合についての誤った通説が原因で若年労働者の組織化が困難である現状が挙げられた。オンライン組織化ではデータベースの利用が鍵である。
ドイツ、ノルウェー、ブラジルからの参加者が、労働組合がどのように労働者を代表しているか説明した。共通のテーマは、組合が提供する便益やサービスである。
「今回の議論で、組合に積極的に関与したいという若手組合員の願望と、彼らが直面している障壁がまたしても明らかになった。指導者たちは、若者に年長者と同じ条件・義務を課しておきながら、若者が組合活動に全面参加できるようにすることを一貫して拒否してきた自分たちの姿勢を、早急に問題にする必要がある」とサラ・フローレス・インダストリオール青年・プロジェクト担当オフィサーは言う。
インダストリオールのホワイトカラー労働者担当部長は言う。
「インダストリオールは今後、若年ホワイトカラー労働者とオルグ双方の意見を聞いて、若いホワイトカラー労働者の組織化方法に関するツールボックスを開発していく。このツールボックスには、検証済みの有効な手段を含める。若いホワイトカラー労働者の話に耳を傾ける必要がある。私たちが彼らを定義することはできない。その定義は彼らが決める必要があり、私たちは彼らの話を聞かなければならない」
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/developing-a-toolkit-for-young-workers-by-young-workers