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第183号インダストリオール・ウェブサイトニュース

インドで400人以上の労働者が職場の安全対策の怠慢により死亡

2024-12-12


インドの職場安全にとって、2024年もまた恐ろしい年となった。インダストリオールがまとめたデータによると、12月10日までに製造業、鉱業、エネルギー部門で少なくとも240件の労働災害が発生し、400人以上が死亡、850人以上が重傷を負った。労働災害は過少報告されているため、実際の数字はかなり多いとみられる。


「今月、私たちは、何万人もの命を奪ったユニオン・カーバイド社のボパール工場ガス災害から40年を迎える。インドは今もなお、世界で最も危険な職場であり、労働災害による死亡者数は世界のどの国よりも多い。権威主義的な政府は、労働者の命よりも利益を優先し続けているため、労働衛生安全法を弱体化させている。失われた保護を取り戻し、安全で安定した雇用を勝ち取るためには、私たちは断固とした反撃を展開しなければならない」

と、インダストリオール執行委員のガウタム・モディは言う。

化学・製薬部門では、今年、最も深刻な事故がいくつか発生した。この部門では110件以上の労働災害が発生し、少なくとも220人の労働者が死亡、550人以上が重傷を負った。8月21日には、アンドラ・プラデーシュ州の経済特区にある製薬工場で爆発が起こり、18人の労働者が死亡、30人が負傷した。この工場はエスシア・アドバンスト・サイエンシズ社が所有している。

5月には、ムンバイにあるアムダン・ケミカルズ所有の化学工場で大規模な爆発が起こり、少なくとも13人の労働者が死亡、60人以上が負傷した。報道によると、化学物質の混合や保管における不十分な予防措置など、安全対策の不備が爆発の原因となった。2月には、デリーのペンキ工場で火災が発生し、11人が死亡、さらに多数が重傷を負った。デリー市当局は後に、その工場が違法に操業していたことを確認した。

安全違反は化学・製薬業界に限ったことではない。鉱業では少なくとも22件の事故が発生し、60人の労働者が死亡、50人以上が重傷を負った。エネルギー部門では、今年に入って20人以上の労働者が労働災害で死亡している。2月には、ハリヤナ州の部品製造施設でボイラーが爆発し、少なくとも14人の労働者が死亡、25人以上が重傷を負った。この工場はインドの広大な自動車サプライチェーンの一部である。

こうした事件は単発的なものではなく、職場における規制の体系的な低下の兆候である。事故は安全規則の重大な怠慢、監督システムの脆弱さ、不十分な工場検査、そして多数の未熟練で不安定雇用労働者を原因として発生していることは明らかであり、死亡・負傷した労働者の大半は不安定雇用労働者である。

近年、インド政府は事業成長を促進するために、職場査察および認可に関する規制を緩和している。新しい労働安全衛生法は、労働者の権利や安全よりもビジネスのしやすさを優先し、査察制度を大幅に弱体化させた。査察官は、自己認証や民間監査により、抜き打ち査察を実施したり、違反者に対して即座に法的措置を取ったり、効果的にコンプライアンスを検証したりすることができなくなった。

「この国の労働安全衛生は憂慮すべき状況にある。労働災害が毎日驚くほどの割合で発生しているのは、職場の安全対策が不十分であることを反映している。私たちは使用者に、労働組合やDGFASLI(工場助言サービス及び労働研究所局)と積極的に協力して、安全な職場を確保するための行動計画を実施するよう強く求める」

と、サンジャイ・ヴァダフカル・インダストリオール執行委員は述べた。

この危機への対応の緊急性を強調して、インダストリオール書記次長のケマル・ウズカンは次のように述べた。

「安全な職場への権利は、労働における基本原則および権利のひとつである。インドの職場安全の悲惨な現状を見れば、この基本的な権利が侵害されていることは明らかだ。インド政府に職場安全規則を見直し、安全対策の不備によるさらなる死亡事故を防ぐために労働組合と社会対話を行うよう強く求める」

写真:ATLAS自転車の製造および組み立てライン。インド・ハリヤナ州のATLAS工場。著作権:Marcel Crozet / ILO

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/over-400-workers-killed-in-india-in-due-to-workplace-safety-lapses

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