労働者には組合が必要で、組合には労働者が必要
2024-12-10
2024年11月26-27日にインダストリオール初のLGBTI+労働者に関するオンライン討議が行われ、職場と労働組合でLGBTI+の人々が直面している重要な課題への注意を喚起した。これらの課題には、差別的な法律、職場での暴力、排除、組合内部に広がる同性愛嫌悪やトランスジェンダー嫌いが含まれる。この2日間に参加者たちは、積極的行動に関する感動的な話を共有した。組合員は、包括性と公平性を支持するために休むことなく活動し、これらの課題を変化のための機会に変えている。
クリスティーナ・オリビエ・インダストリオール書記次長が、性的指向や性自認に関係なく、すべての労働者の権利を保護するグローバルな組合運動の責任を強調した。
「グローバル・ユニオンとして、すべての労働者の権利を代表・保護することは私たちの責任だ」
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長が付け加えた。「そろそろこの会合を開く時期だ。この会議の参加者全員が、LGBTI+労働者が至る所にいることに気づいている。すべての労働者が労働組合を必要とし、私たちは労働者を必要としている」
このセミナーは、性的指向や性自認、ジェンダー表現、性的特徴といった主要な用語の包括的な概観を提供し、これらの言葉を地域ごとの文脈で理解することの重要性を強調した。これは組織を関与させて包括的な文言や方針を促進するために欠かせない。
ILGAワールド(国際レズビアン・ゲイ協会)が作成したLaws on Us 2024報告は、LGBTI+の権利に影響を及ぼす世界の法的状況における進展と後退の両方を浮き彫りにした。同性間の性行動を違法としている国の数の減少など、いくつか進展があった。しかし、ウガンダの死刑制度や、イラクやインドネシアのような国々における犯罪化の増加のような後退は、進行中の課題を強調している。さらに、LGBTI+の人々のための職場保護や医療保護は今なお制限されており、雇用保護を提供している国はわずか77カ国で、医療保険がある国も53カ国にすぎない。
インダストリオール加盟組織の組合員による個人的な話は、LGBTI+労働者が直面する課題に光を投じた。カンボジア労働組合同盟(CATU)の代表が、LGBTI+の人々を保護する政策の欠如と雇用における差別について話した。スリランカからの参加者が、同性愛者がしばしば解雇され、LGBTI+の人々が社会的に無視された部門に追いやられている実態を伝えた。
フィリピンの合同労組(ALU)代表が、安全空間法のような法律による進展を説明すると同時に、差別からの包括的な保護を提供するSOGIE平等法案の行き詰まりも取り上げた。
CNQブラジルからの参加者が、組合の議題にLGBTI+問題を統合し、文化的偏見を克服するために認識を高める必要があると力説した。
エルサルバドルFEASIASの代表が、LGBTI+労働者のために安全な場を作っていること、フェミニスト運動と協力して組合内部でLGBTI+を優先させていることについて語った。
全米鉄鋼労組(USW)代表が、組合はLGBTI+労働者が安心感を得て、支えられていると感じる場所を設けなければならないと強調した。
ILGA労働組合予備会談の結果報告も、インダストリオール組合員が確認した勧告を強調していた。例えば、LGBTI+問題を労働協約に盛り込むこと、青年の関与を優先すること、そして、さらに重要なことには、LGBTI+問題は幅広いジェンダー問題であるため、女性委員会の範囲内にとどめてはならないことである。
インダストリオールは今後、LGBTI+労働者の組織化と彼らの権利をめぐる交渉にあたって、加盟組織を支援することを約束している。LGBT調整委員会(GUFおよびITUC)で引き続き協力し、ウェブサイトを利用してLGBTI+労働者、労働協約の文言、多様性の促進、安全な職場に関する資源を共有することにしている。さらにインダストリオールは、意識向上プログラムによってスタッフと加盟組織の認識向上に重点を置く。包括性チェックリストも作成し、組合が改善すべきところを確認して、より包括的な職場を確保できるよう手助けする。
インダストリオールは、地域・世界ネットワークの構築、フォーカスグループ討論の企画、認知度の向上によって、LGBTI+労働者の権利に対する自らの影響を強化し、労働運動内部で包括性を高めていくことを目指している。
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/all-workers-need-a-union-and-unions-need-workers