HOME

2002年闘争討論集会

パネルディスカッション産別発言(要旨)

(電機連合:大福書記長)

(自動車総連:萩原事務局長)

(JAM:大山書記長)

(鉄鋼労連:兼子書記長)

(造船重機労連:田中書記長)

(全電線:大澤書記長)

(非鉄連合:福井事務局長)


「賃金体系の維持」を

基本に取り組む

(電機連合:大福書記長)


雇用の維持・安定の取り組みを最優先とし、昨年11月「緊急雇用対策本部」を設置した。「非自発的失業者は出さない」ことを基本に、当面の合理化対応の取り組みを強める。また、「雇用安定」のため、ワークシェアリング、解雇のルール化、均等待遇、産業活性化について、大手6社の労使懇の場で労使共同研究を行う。回答指定日には短期的な問題について何らかのアピールを行えるようにしたい。他の中長期的な課題についても7月の大会において発表する。
2002年闘争は、春闘改革の初年度として2年サイクルの総合労働条件改善闘争と位置づけるが、賃金については、当面、毎年の取り組みとする。本年は「賃金体系の維持」を基本に取り組む。要求方式は、35歳高卒技能職、30歳大卒事・技職の2銘柄からの選択制とする。18歳最賃についてはベア1,000円、一時金は平均で年間5カ月分を中心に産別ミニマム基準を4カ月とする。統一要求基準である賃金体系の維持、18歳最賃、一時金ミニマム4カ月がスト権の対象となる。<このページのトップへ>

雇用確保を労使で確認しながら、

ベア1,000円を要求

(自動車総連:萩原事務局長)


最近の為替の状況も追い風となって、自動車産業全体では増収増益基調であるが、部門別・企業別に見るとバラツキはかなり大きい。これまで確認してきた雇用確保の考え方について改めて労使で確認しながら、ベア1,000円を要求する。自動車産業の生産性にふさわしい賃金を目指し、デフレスパイラル阻止への決意を胸に取り組む。また、部門別・企業別の収益格差が大きくなっていることから、全単組が賃金カーブ維持分の確保を大前提とした上で、結果的にベアに取り組めない単組についても全体として包含する取り組みとする。
自動車製造業の従業員数の見通し(2001年大会時報告)によれば、2005年には生産台数が現状維持の1,000万台程度で8万人の減少、900万台になると14万3,000人の減少が予想される。しかし90〜95年にかけては360万台の生産台数減となったが、16,800人の減少に止まっている。総実労働時間が200時間程度減少したことが大きな要因であり、他産業に比べて長い自動車産業の労働時間を削減することが雇用の確保につながると考えている。2005年以降は労働人口が減少すると見ており、多様な働き方の一環としてワークシェアリングについて検討していく。<このページのトップへ>

JAM型ワークシェアリング(第1次案)を提起

(JAM:大山書記長)


雇用対策本部を設置して取り組んでいるが、2001年9〜10月の間2,300単組中336単組で合理化提案があり、11〜12月には倒産が増加している。2002年闘争では、雇用安定協定の締結を要求する。また、従来手法の雇用維持策だけでは不十分となっていることから、中央委員会にJAM型ワークシェアリング(第1次案)を提起する。期間中は人員削減をせず、労働時間削減分の賃金は労働基準法の休業手当水準である60%は確保することとする。会社と組合がどれだけ労使協議を図るのかが重要であり、企業が存続し、雇用が維持されなければならない。見通しがつくようであれば、JAM型ワークシェアリングを導入していきたい。企業の負担に対して、国への助成も求めていく。
 賃金は、全ての単組が賃金構造維持分確保と最低賃金協定締結に取り組み、格差是正が必要な単組、純ベアができる条件がある単組については、純ベア要求を行う。JAM一人前ミニマム、賃金制度整備を取り組む中で、春闘再構築につなげていくように、2002年闘争を取り組む。<このページのトップへ>

「雇用春闘」「危機管理型春季闘争」として取り組む

(鉄鋼労連:兼子書記長)


2001年9月の大会後、環境条件は大きく変化することとなった。構造問題を抱える中で、減産や鋼材価格の再生産不可能なまでの下落、加えて、供給体制建直しの動きもあって、ここ2年間は鉄鋼産業の存亡を賭けた正念場になる。02闘争は「働く者の雇用と生活をいかに守りぬくのか」が最大の課題である。「雇用春闘」「危機管理型春季闘争」として、60歳以降も含めた雇用確保の明示を基本に、その手段として「雇用安定協定」の締結の実現を図っていく。2月中の集中的な交渉とあわせ、労使懇等を配置し経営側の理解を求めていくが、具体的にはこの2年間の協定期間に経営責任において希望退職・整理解雇を行わないことに最大限の努力を尽くすということである。60歳以降の就労確保は、2000年闘争以来「希望者全員」の取り組みを進めてきたが、一方で取り得る最善の選択も幅にいれて交渉を進めていく。2003年4月の実施時期についても確定させることにしている。<このページのトップへ>

「雇用春闘」「危機管理型春季闘争」として取り組む

(造船重機労連:田中書記長)


 企業収益は、全体として2001年度から横ばいで健闘している。これは組合員が生産性向上に協力した結果であり、生産性向上の分配を求めるとの考え方で、ベア1,000円の要求を行う。造船重機産業の賃金水準は他産業にくらべ低位にあり、変動幅の大きい一時金よりも安定した賃金に配分をすべきであると考える。取り組み環境は厳しいという認識だが、統一要求を堅持して取り組む。一時金要求は5カ月とし、18歳最低賃金協定は149,500円をめざす。
 オイルショック時、円高不況時の2度にわたって、設備・人員を3分の1程度減らしてきた経過から、雇用を守ることについては労使とも強い意識をもっており、通年の取り組みを行っている。ワークシェアリングについては簡単に結論が出ないが、厳しいところはワークシェアリングを入れながら雇用を守ることを考え、また残業を増やすことなくパートタイマー等の受け入れをするような考え方はあってもよい。この場合、賃金は時間比例で削減することなく、一定の水準は確保すべきである。<このページのトップへ>

産業実態を踏まえ、「雇用の維持・確保」に取り組む

(全電線:大澤書記長)


 構造的に需要が低迷しており、厳しい状況にさらされている。産業実態を踏まえ、「雇用の維持・確保」に向けて、今後とも労使であらゆる努力を払うことについて確認していく。
 賃金は、ベアを要求せず、定期昇給をはじめとする賃金構造維持分を確保することとし、現行水準での協定をめざす。企業内最低賃金は、要求を行う。
一時金は、「生活保障部分(固定部分)は、全単組が統一的に取り組み、各人の支給において確保すべき水準という位置づけで、「産別ミニマム基準」として4カ月とする。「成果反映部分(変動部分)」は、各単組が設定する。どんな時も一定程度の水準は必要であるとの考え方から組合員の安定を図る観点で取り組みを進める。<このページのトップへ>

労使協議により、雇用確保協定、雇用安定宣言に取り組む

(非鉄連合:福井事務局長)


 企業間の業績のバラツキが大きく、大半が下方修正にある。雇用不安が増大しており、雇用確保を最優先として産別の総力を挙げて取り組む。春闘期間中を通じて徹底的な労使協議により、雇用確保協定、雇用安定宣言など、各組合の実態に応じて実効ある雇用確保を取り組む。
賃金は、全ての組合が定期昇給相当分確保を取り組む。統一的なベア要求はしないが、取り組めるところは取り組むことを基本とし、純ベア額1,000円とする。一時金は、業績連動方式を産別の基本方針とする。最低保障の歯止めを130万円以上とし、変動幅の少ない制度をめざす。<このページのトップへ>

<目次に戻る>