トリニダード・トバゴのアルセロール・ミッタル工場閉鎖で600人が失業
2016-03-30
アルセロール・ミッタルは過去4カ月間、トリニダード・トバゴで一時解雇方針を採用してきたが、このほど鉄鋼工場を閉鎖した。600人を超える労働者が失業し、解決策を見つけようと懸命に努力している。
ここ数カ月間、トリニダード・トバゴのポイント・リサスのアルセロール・ミッタル労働者はめまぐるしい時期を過ごしてきた。何度も交渉が行われ、レイオフが実施され、大勢の労働者がデモに参加し、ポートオブスペイン労働裁判所が賃金紛争をめぐって労働側を支持する判決を下した。精力的な闘いもむなしく、644人の労働者が突然の工場閉鎖で職を失った。
「会社側は、実際に支払不能に陥る前に政府をはじめとする利害関係者と議論せず、国益を完全に無視・軽視している」と、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のトリニダード・トバゴ鉄鋼労組(SWUTT)はプレスリリースで述べている。
この多国籍企業は、もはやトリニダード・トバゴで操業できないと判断した理由として、世界鉄鋼価格の下落と同国のガス・電気料金値上げの見通しを挙げた。今回の閉鎖は、労働裁判所が同社に不利な判決を下し、多額の罰金の支払いを命じた翌日に実施された。
ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長とラクシュミ・ミッタル社長兼最高経営責任者との書簡の交換を経て、同社は次のように述べた。「すべての利害関係者にとって最善の結果をもたらすために、清算手続きの進行中もあらゆる選択肢を引き続き検討していく。したがって、アルセロール・ミッタルはSWUTTを支援し、同労組と協力する用意がある」
SWUTTは差し当たり、労働者が仕事を確保できるようにする代替策を見つけようとしており、同社を購入して債務を肩代わりしてくれそうな投資家を探している。トリニダード・トバゴ政府にも、解決策を見つけるために可能な限り早く介入するよう要求した。
フェルナンド・ロペス・インダストリオール書記次長は次のように述べた。「私は昨年末にこの工場を訪問したが、工場長は工場の近代化に投資せず無責任に振る舞っており、組合を罰するために工場を閉鎖するつもりであることは明らかだった。ポイント・リサスの労働者は非常に熟練しているので、アルセロール・ミッタルと政府はSWUTTと協力し、トリニダード・トバゴの鉄鋼業を守る方法を見つけなければならない」