キャタピラー・ネットワーク、デトロイトでデニス・ウィリアムズUAW会長と会談
2016-06-17
4大陸のキャタピラー労組代議員29人が6月15~16日、インダストリオール・グローバルユニオンとアメリカの加盟組織である全米自動車労組(UAW)の招きにより、ミシガン州デトロイトで会合を開いた。
キャタピラーは、建設・鉱山機械、エンジン、農業機械・設備、その他の機械エンジニアリング製品を製造する米国トップの多国籍メーカーである。この多国籍企業はこの部門の大手企業であるため、同社における労働組合活動の調整は非常に重要である。代議員は、これまでに行われた活動を評価し、将来のプログラムについて合意した。
キャタピラー労働組合ネットワークでは、デニス・ウィリアムズUAW会長と、ネットワークの議長も務めるノーウッド・ジュエル副会長が挨拶した。 デニス・ウィリアムズ会長は実に率直に語り、UAWの取り組みを強調しながらも、この極めて反組合的な会社において、労働組合ネットワークが全世界の労働者のために付加価値を生み出すことを期待していると明言した。
2015年9月に発表された再建計画の結果、いくつかの国々で大規模な余剰人員解雇が実施されている。特に憂慮すべきは日本の状況で、経営側は再建計画の実施にあたって、インダストリオール傘下のキャタピラー労組との長年にわたる社会的パートナーシップを部分的に放棄した。ヨーロッパでも、相次ぐ余剰人員解雇で数千人の雇用が失われたが、リストラはその一因にすぎない。
代議員は、特にマッピング作業によって将来の組織化活動の土台を作るために、欧州従業員代表委員会とグローバル・ネットワークとの協力を改善することで合意した。
日本代表団は、さまざまな国や地域に影響を与える企業発表があった場合に、より迅速に対応できるようにする警告システムの導入によって、今後ネットワークの効率性と柔軟性を高めていけるよう支援と知識を提供した。ノーウッド・ジュエルに代わってネットワーク議長を務めたティム・ブレスラーと、マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール機械エンジニアリング・素材産業担当部長に対し、適宜に組織機構を開発するよう要望が出された。
出席した国々の一部における政情は失望や論争の主な原因となっており、ブリグジット(イギリスのEU離脱)の脅威だけでなく、ブラジルの政治経済危機もある。どちらもキャタピラーの経済・経営状態に影響を与えており、その結果、関連各国にとどまらず他の国々のキャタピラー労働者にも影響を及ぼす。
6月16日のジョー・コックス英労働党議員殺害事件が、この会合に影を落とした。黙祷が捧げられ、イギリスの加盟組織ユナイトのトニー・マーフィーの要請で、ネットワークを代表して弔意が伝えられた。この黙祷のあと、ネットワークは集中して真剣に活動を進めた。
マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール担当部長は次のように述べている。「キャタピラー経営陣が受け入れるか否かに関係なく、私たちはグローバルな交流を開始しており、今後、必要に応じて共同行動を起こす。公正な対話のために手を差し伸べるが、必要があれば紛争もいとわない」