ラテンアメリカ・カリブ海の組合、地域戦略計画を活性化
2018-05-24
ラテンアメリカ・カリブ海の労働組合代表90人がパナマで開かれた第2回インダストリオール地域大会に出席、戦略計画を策定し直し、その実施への加盟組織の参加を促進しようと取り組んだ。
「大会のテーマ『民主主義と社会的公正』は南米大陸の現状を考慮している。アルゼンチンとブラジルにおけるネオリベラルの復活、ホンジュラス、パラグアイおよびブラジルのクーデター、ホンジュラスとメキシコの選挙違反など民主主義への脅威が根強く見られ、コロンビアとメキシコでは革新政権の選出が強く必要とされている」とヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長が会合の冒頭に説明した。
この会議にはパナマのスルフィー・サンタマリア労働開発大臣が出席し、このような実情はあるものの、パナマは労働権の尊重を確保するために政労使の社会的対話に取り組んでいると指摘した。
サンチェス書記長は、続いて貿易協定と労働者に対するその影響に関する討議の口火を切った。出席者は、労働組合は協定に影響を及ぼしてディーセント・ワークを確保しなければならないと結論づけた。深刻な労働組合権の侵害がまだ続いている国々での連帯行動の必要性も強調した。街頭デモを実施してブラジルの民主主義を擁護するとともに、法の支配の回復を支持し、ルーラ・ダ・シルバ元大統領の釈放を求めた。さらに、メキシコのグッドイヤー労働者との連帯を約束した。
代議員は、女性に対する暴力と闘うインダストリオール・キャンペーンの拡散の重要性を強調し、出席した各組合を代表して誓約書に署名した。2020年の世界大会からインダストリオール執行委員会で女性参画40%の割り当てを達成する必要があることも改めて強調した。加えて、1つのセッション全部を使ってインダストリー4.0に検討を加え、持続可能な産業とエネルギー変化を達成するために政治的・社会的活動主体としての労働組合を促進する必要性が高まっていることを確認した。
ケマル・ウズカン書記次長がインダストリー4.0の課題に関する新しいインダストリオール文書を発表、労働組合、使用者および政府は人間中心の技術を促進し、労働者のためによりよい結果を生み出す必要があると説明した。
同時にマリーノ・バニ地域事務所所長が、4つのマクロ部門(軽工業、移動性、エネルギー、製造)から成る新しい組織構造を設置し、インダストリオールが代表する14部門を1つにまとめると発表した。その目的は、労働組合化と団体交渉を強化すること、グローバル枠組み協定の遵守とサプライチェーンの労働組合ネットワークを監視することである。
最後にヴァルター・サンチェスが、第3回インダストリオール世界大会を南アフリカで開催する旨発表し、11月のメキシコシティー執行委員会で大会プログラム立案のための作業部会を決定すると述べた。さらに書記長は、この地域はメキシコでの執行委員会に特に積極的に参加する予定であり、執行委員会では各国で起こっている転換を重点的に取り上げると強調した。