ILOでメキシコ政府による結社の自由の侵害を再び非難
2018-06-19
労働組合10団体が、メキシコ政府によるILO結社の自由条約(第87号)の度重なる甚だしい違反を糾弾している。
基準適用委員会(CAS)はメキシコ政府によるILO第87号条約の違反を調べている。6月上旬の全体会議で、労働者代表は労働組合員に対する甚だしくかつ度重なる暴力行為を報告し、2017年、2018年にトレックス・ゴールド所有のメディア・ルナ鉱山で紛争が発生した際、インダストリオール加盟組織ロス・ミネロスの組合員4人が死亡した件でメキシコ政府を非難した。
組合によると、現政権が支持する保護協約(使用者と御用組合との違法な労働協約)は、結社の自由と真の団体交渉に対する権利の侵害となる。
「保護協約は最も低い労働コストを保証し、何より労働者と交渉する必要がない。メキシコでは1960年代以降、保護協約が国の政策と経済の極めて重要な要素となっている。このモデルは成功して広まり、すべての産業部門を対象とするに至った」とインダストリオールのプロジェクト・権利担当役員のスザンナ・ミラーは言う。
ところが、メキシコ政府とさまざまな事業部門の共犯者はこの事実を否定し、この慣行が結社の自由と団体交渉の弱体化を目的としていると決め付ける客観的な根拠はないと主張した。
同様にメキシコの使用者代表も、メキシコには「嫌がらせも解雇もなく、団体交渉と社会・労働平和がある」と述べた。これに対して失笑が起こった。全体会議は、この発言をメキシコの労働者に対する侮辱とみなしたのである。
基準適用委員会は、2015年からメキシコ政府に対し、ソーシャル・パートナーと協力しながら、保護協約関連問題に取り組む法律と慣行を導入するよう求めていることを指摘した。しかし今なお、あらゆる産業部門へのすべての新規投資に、あらかじめ締結された保護協約が自動的に組み込まれている。
労働者グループは、メキシコについてスペシャル・パラグラフを盛り込み、ILOに直接接触ミッションの任命を求めるよう要求した。しかしながら、これは委員会の最終勧告に含まれていなかった。
基準適用委員会はメキシコ政府に対し、今年11月に開かれる次の専門家委員会までに、最終勧告の適用にあたって取られた措置に関する詳細な情報を提供するよう求めた。たとえ政権交代があっても、メキシコは2019年まで引き続きCASの監督リストに掲載される。