インドの鉄鋼工場爆発事故、死者が12人に増加
2018-10-10
2018年10月9日にインド・チャッティースガル州のスチール・オーソリティー・オブ・インディア(SAIL)ビライ鉄鋼工場でガス・パイプラインが爆発し、労働者12人が死亡、11人が重度のやけどを負った。
ビライ鉄鋼工場でまた死亡事故が発生し、インド公共部門の鉄鋼工場で安全性が危機にさらされていることが明るみに出た。公式報告によると、爆発が起こったのは10月9日午前10時30分ごろ、第11コークス炉バッテリー施設のガス・パイプラインで保守作業が行われていたときのことである。
事故発生時、このエリアでは約23人の従業員が働いていた。即死した9人の遺体は焼け焦げて身元が判断できなかった。従業員の遺族は、遺体を識別するためにDNA鑑定を要求している。3人の従業員が病院で亡くなった。
多くの労働者がまだ生死の境をさまよっているため、さらに死者数が増える恐れがある。1人の労働者は換気装置の上で全身大やけどを負い、そのほかにも70%、50%、40%のやけどで治療中の労働者がいる。現場には消防士が出動していたが、何もできなかった。事故の犠牲者には管理職や技術者、消防士も含まれている。
ビライ鉄鋼工場の安全記録は悲惨であり、2018年5月8日、9日、10日に立て続けに事故が発生し、毎日1人の労働者が死亡した。経営側は今日まで、2014年の別の重大事故のあとに出された安全委員会の勧告を実施していない。
2014年から現在までの間に、ビライ鉄鋼工場だけで約31人の労働者が事故死した。鉄鋼大臣が議会で提供した情報によると、2014年から2017年にかけて全国のさまざまなSAIL工場で事故が発生し、労働者74人が死亡している。同じ期間に同社では報告義務のある事故が205件発生した。
インド全国労働組合会議(INTUC)チャッティースガル州支部長のサンジャイ・シンは次のように語った。
「安全対策の不備、過去の死亡事故からの学習の失敗、不安定労働者の増加が安全危機の第一の理由だ。私たちはこれまでにない強い口調で今回の事故を非難する。事故を精査し、責任者を処罰しなければならない。この厳しい時期に遺族と連帯している」
アプールヴァ・カイワール・インダストリオール南アジア地域事務所所長は言う。
「インド有数の製鉄工場で、経営側の怠慢によって労働者の死亡事故が続いているのは恐ろしいことだ。これは公共部門の事業であり、政府は労働者の安全を確保するために強硬な対策を講じなければならない」
政府当局は、事故を調査するために内部委員会の設置を発表した。今回の悲惨な事故に先立って、ビライ鉄鋼工場は6月、インド首相が国のために導入した近代化・拡張プログラムを完了している。