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ミシガン州の反労働者的な新法に非難集中

2012-12-13

 アメリカのインダストリオール加盟組織は、中西部ミシガン州で新しく制定された「労働権」法を非難している。この法律は名称とは裏腹に、賃金・労働条件改善を求めて交渉する労働者の権利を削減する効果を及ぼす。

 同州ではレイムダック・セッションで共和党と大企業による同盟が2本の法案を強引に通過させ、法案に署名し法律として成立させるためにリック・スナイダー知事に送った。州議会では新たな議員が選出されている。2013年初めに招集される新議会では、法案を拒否していたであろう民主党議員が増える。

 この企てを特に支援したのは、悪名高いコッホ兄弟が出資する団体、アメリカンズ・フォー・プロスペリティーである。

 昨日12月12日、1万7,000人のデモ参加者が直前の呼びかけでランシングの州議事堂前に結集して法案に反対する中で、スナイダー知事の署名により法案が成立した。群衆は、著名な共和党の政治家と金持ちの後援者にちなんで名付けられた巨大な4匹のねずみのバルーンを掲げた。ミシガン州には、有力な右派の財界指導者以外、この法律を求める者は1人もいないようだった。

 レオ・ジェラードUSW(全米鉄鋼労組)会長は、「常識を働かせて政治よりも経済を優先することを求める」行動の中で、退行的な法案に署名しないようスナイダー知事に圧力をかけ、「知事に対し、拒否権を発動して、この不和を生じさせる不要な労働権法案を阻止するよう求め」てきた。スナイダー知事の署名が遅れていれば、この法案は少なくとも公の論議と投票に付されていただろう。

 審議中、共和党の下院議長は州議事堂のドアに施錠するよう命令し、外のデモ参加者は警察に催涙ガスで攻撃された。

 他の州では労働権法によって組合が多種多様な攻撃を受けており、労働災害補償金や公共部門賃金の削減、年金の廃止・減額、公共部門の団体交渉禁止などが実施されている。また、義務的な協議事項の削除や仲裁裁定に対する制限、「政治的行為」向けの組合費徴収・支出の禁止、組合「ロビー」活動の禁止、現場組合事務所の禁止も組合を弱体化させている。調査の結果、いわゆる「労働権法」実施州の労働者は平均年収が1,500ドル少ないことが分かった。

 「ミシガンで起こっている出来事に憤慨していない人は注意が足りない」と、インダストリオール副会長でもあるトム・ブッフェンバーガーIAM(全米機械工労組)会長は述べた。「この法案の可決方法は民主主義そのものに対する奇襲攻撃にほかならず、コッホ兄弟とその同盟者が卑劣な手段で過激な政策を押しつけようとしていることを疑う余地なく証明している」

 インダストリオール加盟組織のUE(全米電気・ラジオ・機械工労組)は、この「企業による電撃作戦」は「労働者に対応する時間をほとんど与えなかった」と非難した。UEの背景文書『労働権法の不正を暴く』を参照。

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