造船・船舶解撤組合が決起
2020-09-24
<JCM記事要約>
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インダストリオール造船・船舶解撤アクショングループは9月22日にオンライン会合を開催、各部門の世界的傾向を議論し、将来のアクション・プランについて合意した。
基幹労連/JCMの神田健一共同部会長が開会挨拶で次のように述べた。
「COVIDが猛威を振るい続け、通常の活動が困難になっている中で、皆さんの安全をお祈りするとともに、その達成への本アクショングループのコミットメントを再確認する。しかし、引き続き総力を結集して協力関係を強化していかなければならない」
アイリーン・ヨー・チョー・ジェク共同部会長が述べた。
「このパンデミックは、いくつかのセグメントの雇用に大きな打撃を与えている。技能を向上させ、雇用を擁護していく方法を見つける必要がある」
各部門の組合を対象にCOVID-19の影響と組合の対応を調査した結果、以下が明らかになった。
- 組合/国の半数が労働安全衛生と雇用を確保している。
- クルーズ、フェリー、海上プラットフォームおよび船舶解撤部門の組合は、今後数年間の雇用を懸念している。
- 多くの国々で下請労働者や女性、若者、移民労働者が最も大きな打撃を受け、雇用危機に直面している。
- 造船所や閉鎖空間で社会的距離を確保することが重要な課題である。
- 公正な移行、グリーンテクノロジー/グリーンリカバリー、インダストリー4.0、技能訓練・開発に関する政策を立案し、実施する必要がある。
松崎寛インダストリオール造船・船舶解撤担当部長は言う。
「調査の結果、多くの造船労組が組合員の安全衛生と雇用の確保に成功していることが分かった。しかし、多くの国々で下請労働者や女性、若者、移民労働者が雇用危機に直面しており、これらの労働者を対象とする組織化活動を拡大する必要がある」
COVID-19の影響は部門によって異なる。造船の商業部門、特にクルーズ、フェリー、海上プラットフォームは、今後数年間の雇用水準確保に向けた新規受注の獲得や受注量の維持に苦労している。海事産業のサプライチェーンは徐々に回復している。海軍部門では、ほとんどの造船所が2019年と同水準で操業している。
このパンデミックにより、造船業では進行中の再編・改革プロセスが加速している。CSSCとCSICの統合(従業員数31万人の世界最大の中国系造船会社)に続いて、現代重工業とHHI/DSME、フィンカンティエリとアトランティーク造船所など、巨大造船会社の統合計画が進行中である。
インダストリオール執行委員会は2019年、韓国における現代重工業による大宇造船海洋の買収に関する決議を採択した。合併交渉の透明性の不足や造船業のサプライチェーンの労働者・組合に対する重大な脅威をめぐる懸念があった。
船舶解撤の操業度は10年間で最低の水準にある。南アジアの船舶解撤産業は3月から5月までのロックダウン期間後に活動を再開しているが、稼働水準は依然として低い。インド、バングラデシュ、パキスタンの船舶解撤労組は雇用確保に取り組んでいる。
インドは世界最大の船舶解撤国で、2019年に船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約を批准した。インダストリオール加盟組織ASSRGWAは、政府が設置した香港条約実施委員会のメンバーになる予定である。
「批准国が必要な数に達したため、香港条約の先行きは非常に明るい。最大規模の旗国の1つと最大規模の船舶解撤国の1つが必要であり、それによって条約の実施に必要な要件がすべて満たされる」とビドゥヤハール・ラネー副部会長が述べた。
COVID-19に関するインダストリオールの政治声明に沿って、アクショングループは以下に同意した。
- 必要な場合、ジェンダーの視点から安全衛生(COVID-19)に関する教育・訓練を提供し、女性と若者の参加を促進する。
- 主要な旗国だけでなくバングラデシュにもHKCへの署名を求めるロビー活動に重点を置く。
- 技能開発など、組合活動の全レベルでインダストリオールの持続可能な産業政策を促進し続ける。
「すべての大陸の組合による今日の会合は、この危機に際して団結する必要性とその意欲を確認する。香港条約の世界的批准が間近であることは喜ばしい。だが、関連産業では多くの労働者がパンデミックによって特に大きな打撃を受けており、社会的保護を受けていない。誰も取り残されないようにするために闘い続けなければならない。インダストリオールはCOVID-19に関する政治声明に沿って行動を起こす」とアトレ・ ホイエ・インダストリオール書記次長は述べた。