フォルクスワーゲン・ブラジルの組合、雇用確保のために協約を承認
2020-09-22
<JCM記事要約>
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ブラジルのフォルクスワーゲン4工場の組合が労働協約を取り決め、5年間雇用を保護するとともに、さらなる投資と自発的退職パッケージを定めた。
COVID-19パンデミックに直面して、サンベルナルド、タウバテ、クリティバ、サンカルロスのVW工場の労働者は、今後5年間雇用を守る集団雇用契約に賛成票を投じた。
「VWの危機は数年前に始まり、パンデミックのせいで事態が悪化している。生産が能力をはるかに下回りそうであることを踏まえて、現実的に考えなければならなかった。初めから、主な目的は雇用の保護だった」と、インダストリオールに加盟する全国金属労連(CNM/CUT)の傘下に入っているサンベルナルドのABC組合のワグナー・サンタナ会長は述べた。
VW経営陣はブラジルの工場で労働者を代表している4組合に、パンデミックの経済的影響が原因で、柔軟性措置の導入によって労働者を約35%削減するつもりだと知らせてきた。これは合計1万5,000人中5,200人の雇用に相当する。
組合は4週間かけて代替案をめぐり交渉し、人員削減の阻止と会社の競争力維持を確保した。
「どの工場もそれぞれ異なるが、組合代表は何とか各工場のための具体的な条件を取り決めることができた。組合が協力し、合意に達することができたことが重要だった。これは今後、他の組合の参考とすることができる」とCNM/CUT傘下のタウバテの組合Sindmetauのクラウディオ・バチスタ会長は述べた。
この協約には下記が盛り込まれている。
- 自発的退職パッケージ
- 医療パッケージ
- 賃金凍結
- 2021年以降に加入する労働者に適用される新しい賃金率
インダストリオール加盟組織CNTM傘下のグランクリティバのSMCのセルジオ・バトカ会長が付け加えた。
「労使双方が常識を働かせ、今後5年間にわたって労働者の雇用を保護する案を見いだした。それは労働者たちが安心して働き続けられること、VWが現在ブラジルで吹き荒れている嵐を乗り切る方法を見つけられることを意味する」
CNM/CUT傘下のサンカルロス/イバテ金属労組も協約を承認した。バンデルレイ・ストラーノ会長は、この協約を労働者に心の平和をもたらす偉業と呼んだ。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は次のように述べた。
「ブラジルのVW労働者と4組合による協力を祝福したい。5年間の雇用確保と財政的保証は、1万5,000人のVW労働者にとってのみならず、サプライチェーンで働いている数千人の労働者にとっても重要だ」
「ブラジル政府が雇用法を解体しているところで、労使関係政策を立てていないことを考えれば、この協約はなおさら重要であり、ブラジルならびに全世界の組合に刺激を与える」