欧州鉄鋼行動デー
2020-10-01
<JCM要約>
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欧州全域の鉄鋼労働者・組合が10月1日、鉄鋼部門と鉄鋼労働者を保護する緊急行動を要求するために結集している。欧州全域の鉄鋼労働者はEU政策当局、各国政府および鉄鋼企業に対し、この部門を保護して雇用を守るよう求めている。
ヨーロッパの鉄鋼部門は何年にもわたって世界市場で過剰設備に陥っており、他の国々と同様に鉄鋼業の未来をめぐる懸念がある。COVID-19危機で事態が悪化した――欧州の鉄鋼生産は40%落ち込み、新規受注は最大70%減っている。
これは労働者に壊滅的な影響を与えており、少なくとも45%が一時解雇や労働時間短縮に直面し、先行き不透明な労働者も多い。対照的に、この期間中に中国は補助金を与えられた鉄鋼の生産を増やした。
欧州では多くの鉄鋼工場が稼働を停止しており、溶鉱炉の閉鎖には莫大な費用がかかるため、労働者は炉が再開されず、一時解雇が永久解雇になってしまうのではないかと深く憂慮している。
ヨーロッパの鉄鋼組合は、鉄鋼はCOVID後の回復に不可欠だと主張している。鉄鋼労働者と鉄鋼労組は今日、欧州全域で以下のために行動を起こす。
- 欧州鉄鋼業における持続可能な鉄鋼雇用の要求
- 不公正貿易への反対
- 公正な国際競争の要求
- 工業生産に弾みをつける景気刺激策の要求
- よりグリーンなヨーロッパ産鉄鋼の要求
- ヨーロッパの鉄鋼および鉄鋼労働者に持続可能な未来を保証する新しい欧州鉄鋼アクション・プランの要求
ヨーロッパのインダストリオール・グローバルユニオン姉妹組織であるインダストリオール・ヨーロッパは、欧州鉄鋼業の持続可能な未来に不可欠な要求を盛り込んだアクション・プランを策定した。行動デーでは欧州鉄鋼アクション・プランを強調し、鉄鋼労働者が政治・産業指導者に雇用保護、不公正貿易対策、ヨーロッパ産のグリーンな鉄鋼に至る方針の策定を要求する。
10月1日の行動には、鉄鋼生産現場でのデモ行進、労働者の集合、従業員代表委員会の会議、広報活動、ソーシャルメディア・キャンペーン、政府代表・議員・鉄鋼部門使用者との会合が含まれる。インダストリオール・ヨーロッパはEU議長国ドイツの代表と会談し、鉄鋼アクション・プランを提示する。
マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール素材金属担当部長は述べた。
「鉄鋼業は地球的規模で、COVID危機、世界市場の低迷、供給過剰(補助金付きの中国産鉄鋼が一因)に悩まされている。私たちは欧州ならびに全世界で、鉄鋼業を保護するために同志である皆さんと固く連帯する。今日は欧州の同僚が鉄鋼業の衰退に反撃する番だ」