ドイツの組合、コンチネンタルに抵抗
2020-09-30
<JCM要約>
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インダストリオール加盟組織のIGメタルとIG BCEはコンチネンタルのドイツ工場閉鎖決定に抗議しており、9月29日と23日のデモで数千人がハノーバーとアーヘンの街頭に繰り出した。このタイヤ・自動車部品大手はアーヘンの1,800人を皮切りに、ドイツ国内で最大1万3,000人の雇用を大幅削減する計画を立てている。
コンチネンタルによると、削減発表の背後には、パンデミックに起因する車両生産の低迷と経済危機のダブルパンチがある。コンチネンタルはドイツで合計1万3,000人の雇用削減を計画しており、最終的に全世界で3万人が「調整、移転または解雇」される。
ドイツの組合IG BCEとIGメタルは、この突然の発表の理由は事実ではないと述べ、「削減のための削減」と指摘している。
2021年末までにアーヘン工場を閉鎖するというコンチネンタルの発表を受けて、同市では9月23日に数千人がマスクを着用して安全な距離を保ちながら抗議した。
9月29日にはコンチネンタル監視委員会が会合開催中のハノーバーのビル前で2,000人がデモをした。
ミハエル・バシリアディスIG BCE会長がデモ参加者を前に演説した。
「この1件は、ドイツ企業が影響を受ける人々と地域社会の未来を考慮することなく、これまで今回の危機を乗り切る指針となってきた連帯・社会的責任方針からの離脱を決定したというものだ。企業所有者は社員に対するこの攻撃をやめ、知的な代替案への道を開かなければならない」
イェルク・ホフマンIGメタル/インダストリオール会長は言う。
「企業が税金を財源とする支援を受けていながら、この危機に乗じて低賃金国に雇用を移転するというのは恥ずべきことだ。危機が長引くほど、雇用に対する圧力が強まるだろう。しかし企業は、脱炭素やデジタル化に適応できるようにするために研究開発に投資すべきだ」
コンチネンタルの従業員代表委員会は請願を開始し、組合との交渉が終了するまで、発表されたレイオフを停止するよう要求している。組合側は、全従業員の雇用保障と持続可能な見通しを引き続き最優先すると繰り返し、今後の決定への参加を求めている。
「私たちは従業員代表として、従業員・会社双方のために解決策と創造性を見いだしたいという意欲を繰り返し示している」と従業員代表委員会は言う。
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は、インダストリオールはドイツの加盟組織2団体の共通の怒りを共有すると言う。
「アーヘン工場を閉鎖して全世界で3万人の雇用を削減するというコンチネンタルの発表は裏切り行為だ。ドイツ政府はCOVID危機下で企業に多額の支援を提供しているのだから、企業がこの機会をとらえて低賃金国に雇用を移転させることは絶対に受け入れられない」