労働組合、オムニバス法の違憲性を主張し、「現代の奴隷制」と指摘
2020-11-05
<JCM記事和訳>
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インドネシア労働組合総連合(KSPI)と全インドネシア労働組合総連合(KSPSI AGN)は、論争の的となっているオムニバス法について憲法裁判所で法的な異議申し立てを行い、この法律は労働者の権利を侵害するものだと主張している。
両組織は、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のFSPMI、FSP KEP、SPN、CEMWUを含む32の連合団体とともに、憲法裁判所で訴訟を起こし、雇用創出に関するオムニバス法は労働者の権利を保護する憲法の規定と2003年労働法に明らかに違反していると主張した。
インドネシア全国で数千人の組合員がデモを行っているにもかかわらず、11月2日にジョコ・ウィドド大統領が署名した物議を醸す法律では、雇用保障とさまざまな福利厚生が削減されている。
KSPIとFSPMIの会長を務めるサイド・イクバルは言う。
「政府に対し、インドネシアの労働者に悪影響を及ぼす異論のある法律の即時廃止を求める。部門最低賃金の廃止は、地区政府や市議会が労働者の最低賃金を設定する義務を負わなくなるので、低賃金制度を招く」
「外部委託に関する新しい条項が実施されれば、契約期間を無期限に延長できるようになり、対象が5つの職種に制限されなくなるため、インドネシアの労働者は生涯にわたって契約労働者となる恐れがある。要するに、これは現代奴隷制だ」
アニー・アドビエント・インダストリオール東南アジア地域事務所所長は言う。
「インドネシアの加盟組織が法的な異議申し立てによって、このキャンペーンを次の段階に進めたことを祝福する。インダストリオールは連帯し、オムニバス法との断固たる闘いにおいて必要な支援を提供する」
73の法律を改正する雇用創出に関するオムニバス法は、1月以降、国中で広範囲にわたる抗議行動を引き起こしている。労働者は命がけでデモに加わり、2020年4月、議会に審議を延長させることに成功した。
しかし、議会は10月5日に同法を一括して審議・承認、労働者は再び全国ストによって、この問題を公の場に持ち出さざるを得なくなった。KSPI、KSPSIおよびKSBSI傘下の労働者数百万人がストに参加し、多数の労働組合員がインドネシア警察によって独断的に逮捕・拘束された。