アルセロール・ミッタル労働者、安定した安全な雇用を要求
2020-11-05
<JCM記事要約>
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最大手の多国籍鉄鋼・鉱山会社アルセロール・ミッタルで労働者を代表している約90人の組合指導者が、2020年11月3〜4日のバーチャル・グローバル組合ネットワーク会議で、同社における最近の動向をめぐって議論した。
この会議は、COVID-19パンデミックの第2波で鉄鋼・鉱業部門が経済危機に陥っている状況の中で開催された。参加者は、アルセロール・ミッタルが同業他社と同様に、パンデミックを口実に雇用の削減と労働条件の悪化によって変化を加速させていることに留意した。同社はリモートワークを支持し、デジタル化とオートメーションを加速させている。これらの変化は、必ずしも否定的ではないものの、労働者代表との協議がなければ状況をさらに悪化させる恐れがある。
マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール素材金属・機械エンジニアリング担当部長はこう述べた。
「この危機は再び、現在の経済が持続可能なものではなく、不平等を生み出して労働者に苦痛を与えることを示している」
今までにもまして、現在の危機の出口を見つけるために労使間の真の社会的対話が必要とされている。これは特に、会社と労組が全レベルで真の対話により、労働者とその代表も関与させて、アルセロール・ミッタル・グループの将来の戦略と発展をめぐって常に交流することを指す。
この2日間の会議にはアルセロール・ミッタルのグループ人事責任者バート・ウィルが加わり、同社の展望と戦略を発表した。ウィルは、特に同社の労使関係や社会的対話の質に関連して、参加者から一連の質問やコメント、批判を受けた。
参加者は、2019年4月にブラジル・リオデジャネイロで開催された前回のグローバル組合ネットワーク会議以降、同社の社会的対話が減退していることを強調した。社会的対話は双方向的なものとし、同社における進展について十分かつ透明でタイムリーな情報を提供すべきであり、重大な問題、特に将来の成長戦略や投資に関して労働組合と協議すべきである。
会議でのフィードバックおよび経営陣との意見交換に基づき、参加者は宣言を採択した。
参加者たちは、特にCOVID-19危機下で安全衛生問題に取り組もうとする同社の努力を認めながらも、労使間の協力、連携、対話の改善への期待を表明した。2007年に労使が締結したグローバル協定に基づいて設置されたアルセロール・ミッタル合同グローバル安全衛生委員会の機能の改善・強化に、特に言及された。
組合ネットワークは、会社側が国際的な問題をめぐる適切な情報・協議プロセスによってグローバル組合委員会を支援することを含めて、アルセロール・ミッタル本社経営陣とグローバル枠組み協定について交渉することを改めて強く要求した。
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長はこう述べた。
「加盟組織は、閉鎖や失業を伴うアルセロール・ミッタルの再編をめぐり、いくつかの紛争に直面している。グローバル組合ネットワークは、アルセロール・ミッタルとの労使関係の質の低下に失望している。同社に対し、加盟組織との対話で進行中の問題に直ちに対処し、グローバル・レベルで、制度化された社会的対話へのより強いコミットメントを示すよう要請する」