アルセロール・ミッタルで死亡事故が激増――組合が緊急行動を要求
2021-03-30
【JCM記事要約】
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2021年3月30日:労働者と組合は、アルセロール・ミッタルの事業の安全衛生条件が悪化しており、死亡者数が増えていることを、激しい不快感を持って指摘している。
組合は、安全衛生条件が悪化した結果、カザフスタン、ウクライナ、ポーランド、スペインのアルセロール・ミッタルの現場で、多数の死亡事故が発生していることを非難している。最近では、2月16日に南アフリカ・バンダービールパークのアルセロール・ミッタルの工場で建物が崩落し、労働者3人が亡くなった。
アルセロール・ミッタル、インダストリオール・グローバルユニオン、インダストリオール・ヨーロッパおよびUSWによる「工場レベル合同安全衛生委員会の最低必要条件に関する協定」の署名者は3月9日、同社に書簡を送り、安全衛生委員会の緊急会合を要求した。同社による初動の対応がなかったため、問題の緊急性を考えて、3月24日にグローバル委員会の労働者代表と署名組合が集まり、この事態をめぐり協議した。
会合参加者は、アルセロール・ミッタルの現場で現在見られる厄介な安全衛生状況を検討したのち、「アルセロール・ミッタル合同グローバル安全衛生委員会の労働者グループの声明」を採択し、同社に正式に送付した。
この声明で労働者代表と署名組合は、特にパンデミック下にあって、アルセロール・ミッタルの現場で労働者の健康を守るための共同努力の必要性を強調した。参加者は、アルセロール・ミッタルの現場で死亡事故が増加している極めて憂慮すべき現状と、緊急共同行動の必要性にも注意を払った。同時に会社側に対し、労働組合が現地レベルで現場保全や安全衛生への投資の不足について、一貫して懸念を表明してきたことを思い出させた。
委員会の労働者代表は、同社が講じなければならない緊急行動を改めて要求した。
これを受けて、最終的にアルセロール・ミッタルは、今後数週間のうちに合同グローバル安全衛生委員会を開催すると発表した。