モロッコのステランティスで組合の力を構築
2021-03-25
【JCM記事要約】
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2021年3月25日:インダストリオールの強固な支持により、モロッコ労働組合(UMT)は、ケニトラのステランティス(旧プジョー・シトロエン(PSA))工場の組織化に成功した。
モロッコの自動車産業は急成長を遂げており、サプライチェーンが急速に拡大し、世界中から新規企業が参入している。総勢13万5000人の労働者を擁する自動車産業は主要な輸出部門となり、モロッコの発展において重要な役割を演じている。
ケニトラのステランティス工場は、ここ数年、フランスの巨大自動車会社PSAの大型投資によって勢いづいている。2019年以降、労働者数は3000人に増え、モロッコ最大の自動車事業にする計画がある。
使用者が組合を締め出そうとするため、組合は経済特区での組織化や活動にあたって困難に直面することが多い。UMTは2012年に初めての画期的な成果を達成し、タンジェ経済特区のルノー工場を組織化した。ルノーの事例でもステランティスの事例でも、インダストリオールが自動車メーカーと締結したグローバル枠組み協定が、グローバルな連帯と並んで重要な役割を果たした。
2018年、カサブランカのインダストリオールMENA自動車ネットワーク会議で、モロッコのPSA経営陣と組合の初会合が開かれた。
ミロウディ・モウカリクUMT書記長は言う。
「この成功は、航空宇宙や自動車など、多数の多国籍企業とサプライチェーンが活動しているモロッコの比較的新しい産業で、組合活動の強化を目指して継続的に活動してきた結果だ。インダストリオールによる国際連帯が重要となっている。労使間の安定と協力を促進する労働協約を立案するために、会社との実りの多い対話を優先させている」
長年に及ぶ下準備を経て、インダストリオール青年プログラムの枠内で訓練を受けたUMTケニトラ指導者と若手組合指導者が、工場の組織化にあたって積極的な役割を果たした。
組合員が増加した結果、承認を獲得できるかどうかの正念場で新組合は総会を成功裏に開催し、300人の労働者が参加した。来月、新規組合員向けの訓練が始まる予定である。
「ステランティスにおける労働者の組織化は重要な一歩前進であり、組合構築プログラム、グローバル枠組み協定、企業別ネットワークの支援を受けた長年の活動の結果だ」
「インダストリオールは全国金属労連の設立に向けたUMTの努力を引き続き支援し、自動車・配線、電子ICT、鉄鋼および航空宇宙部門をまとめていく」とアーメド・カメルMENA地域事務所所長は言う。
「私たちはモロッコの組織化活動全体を通じて、PSA経営陣が結社の自由の基本的権利を尊重すると確信していた」とゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長は言う。
ステランティスは2021年1月、フィアット・クライスラー・オートモービルズとグループPSAの合併によって設立された。インダストリオールは現在、国境を越えた社会的対話の継続と労働基本権の適用に関して、新会社と予備会談を進めている。