組合が勝利――スト終結で3カ年賃金協約締結
2021-10-27
【JCM記事要約】
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2021年11月27日:3週間に及んだエンジニアリング・金属部門の全国ストが終わり、南アフリカ全国金属労組(NUMSA)は10月21日、6%の賃上げを盛り込んだ3カ年賃金協約に署名した。
インダストリオール加盟組織NUMSAは、この部門で大部分の使用者を代表する南アフリカ鉄鋼・エンジニアリング産業連盟(SEIFSA)との協約に署名した。
同労組は、この協約を他の使用者団体にも広げたいと考えている。例えば、同労組が「反労働者的で組合つぶしを行う団体」と言う南アフリカ・エンジニアリング・鋳造協会(SAEFA)や南アフリカ全国使用者協会(NEASA)である。NUMSAは、これらの使用者団体に対し、協約に署名し、協約当事者にならずに賃金交渉の結果を実施する「ただ乗り」をしないよう求めている。この産業の労働者全員が賃金協約から利益を得るべきだ、と同労組は言う。
10月25日、大手製鉄会社のマックスチールがNUMSAの要求に留意し、SAEFA傘下の使用者としていち早く最初に協約に署名した。
ストが始まったのは、組合が8%の賃上げを要求し、4.4%という使用者側の当初提示を拒否した結果、交渉が行き詰まったときだった。労働者はこの部門に対するCOVID-19の影響を緩和するために2020年に賃上げ見送りに同意し、産業の生き残りのために犠牲になった、とNUMSAは主張した。
イルヴィン・ジムNUMSA書記長は次のように言及。
「組合員の最大の利益になるように現在のストを解決することを唯一の目的に、組合として、妥協して最低6%というSEIFSAの最終の提示を受け入れるという意識的な決断を下した。スト実施中に高い代償を払ったのはNUMSA組合員であり、可能な限り早くストを解決するために組合が全力を尽くすことが労働者の利益になる。ノーワーク・ノーペイ・ルールにより、スト実施中は毎日、犠牲を伴うからだ。この協約は産業の賃金率をも保護しており、労働者は2021年7月1日から遡及賃金を受け取る」
インダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所のポール・フランス・ヌデソミン所長は次の通り言及。
「NUMSAの厳しい交渉戦略の結果、今回の賃金妥結に至ったことを称賛する。この協約は今後3年間エンジニアリング・金属部門で生活賃金を維持するので、極めて重要だ」