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第138号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2021年11月18日)

労働組合、ミャンマーの労働権・人権侵害を受けてEU貿易特恵の即時撤回を要求

2021-10-26

【JCM記事要約】

  • インダストリオールとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、欧州委員会と欧州議会、欧州理事会に対し、EUによる「武器以外のすべて(EBA)」の取り決めに基づくミャンマーの貿易特恵を取り消すよう要求している。
  • 労働組合は、雇用創出や労働条件の改善を目指すGSP(一般特恵関税制度)の目的は支持しているが、軍事政権下で逮捕や暴力などが行われているミャンマーの状況を考慮すると、制裁も必要であると主張している。

 

2021年10月25日:インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、ミャンマーにおける労働者、人権擁護者、労働組合員に対する悲惨な人権侵害に対して、EUの緊急行動を要求している。労働組合は、EUによる「武器以外のすべて(EBA)」の取り決めに基づくミャンマーの貿易特恵を直ちに取り消すよう主張している。
                                                      

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合とインダストリオール・グローバルユニオンは今日、世界中の労働組合を代表して、欧州委員会と欧州議会、欧州理事会に接触し、EUのEBA制度に基づくミャンマーの貿易特恵の即時撤回を求めた。

ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は次のように言及。

「軍事クーデター後のミャンマーで起こっている出来事は人類史の汚点だ。罪のない人々の殺害や拷問、投獄は、人類に対する残忍な行動だ。私たち全員にこれと闘う責任があり、ヨーロッパには特別な責任がある。EUは、国際的な価値観と原則(労働権・人権など)に基づいて、弱い立場にある発展途上国の貧困緩和や雇用創出を支援するためにGSP(一般特恵関税制度)を与える。我々はEUに対し、この大虐殺を止めるために必要な措置を講じるよう求める」

ミャンマーの労働者は、軍事政権下で絶えず逮捕や暴力、拷問の脅威にさらされて生活しており、ミャンマーの労働組合は、現在の非民主的で虐待的な政権に対する厳しい経済制裁を求めている。

2021年2月1日のクーデター以降、ミャンマーの軍事政権は恐怖支配を実施し、労働者と工業地帯を標的にしている。デモによって正当な懸念を表明しようとしている労働組合員と労働者が軍隊に追い回され、多くの労働組合指導者が潜伏を余儀なくされており、数人が逮捕され、パスポートの無効を宣言された者も多い。

すでに約30万人の労働者が、市民的不服従運動(CDM)への参加を理由に解雇されたことが確認されている。市民の自由に対する制約は誰の目にも明らかである。

欧州委員会はEUのGSP(EBAはその一例)を、EU貿易を利用して発展途上国で雇用を創出できる手段として促進している。労働組合は、世界の最貧国のいくつかで労働者の労働権と労働条件を改善するという目標をはじめ、GSPの重要な目的を支持している。

しかし労働組合は、GSPが大きな効果を上げるようにするために、ひどい労働権・人権侵害を考慮して、制裁も利用しなければならないと主張している。

両組織は、ミャンマーから投資を引き揚げるとともに、責任をもって労働者を取り扱い、注文を完了するよう多国籍企業に求めるとした、ミャンマーの労働組合運動(CTUMとIWFM)の共同要求を支持している。

ジュディス・カートン・ダーリング・インダストリオール・ヨーロッパ労働組合書記次長は次のように言及。

「ミャンマーの現在の軍事独裁政権が市民を虐待して基本的人権を侵害し、多くのILO条約に違反していることは明白である。EUのGSPは、労働者が労働権を尊重されて安全な状況で働けるようにするために作られている。ミャンマーはそれとはかけ離れた状況にあり、私たちはEUがミャンマーの労働者の要求に沿ってミャンマーのEBAを至急取り消すよう要求する」

 

 

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