インドネシア政府にオムニバス法停止命令
2021-12-02
【JCM記事要約】
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2021年12月2日:インドネシアの憲法裁判所がいわゆるオムニバス法を違憲と判断したあと、インドネシアの労働組合は政府に対し、論争の的となっている雇用創出法と関連規則の停止を繰り返し要求している。
インドネシアの憲法裁判所は11月25日、5対4という画期的な判決で、この法律文が大統領と議会の承認後に変更されたことを明らかにした。同裁判所は、この立法プロセスは明確で基本的・標準的なプロセスに従っておらず、インドネシアの憲法に違反していると宣告した。
加えて、裁判所は政府に対し、2年以内に雇用創出法を修正するよう命令した。さもなければ、同法は恒久的に違憲とみなされ、2003年労働法の当初の条項が復活する。
論議を呼ぶ雇用創出法は2019年以降、組合による強い抗議行動の高まりを誘発している。インドネシアのインダストリオール加盟組織11組合の組合員を含む何百万人もの労働者が、部門最低賃金の廃止、退職金の削減、契約期間の延長による労働の柔軟性拡大に抗議している。
昨年、労働者の抗議により、何とか議会討論を先送りすることができたが、同年10月に議会はプロセスを速めて法案を承認した。
それを受けて、KSPI、全インドネシア労働組合総連合(KSPSI)、インドネシア福祉労働組合総連合(KSBSI)およびインドネシア労働組合総連合(KSPI)は、2020年11月に憲法裁判所で司法審査を申請し、この法律を「現代の奴隷制」と呼んだ。
「憲法裁判所の判決を歓迎する。政府は今すぐ、雇用創出法とすべての現行規則を停止しなければならない。これらの規則は労働者の賃金や労働協約、労働時間に大きな影響を与えるため、産業部門最低賃金の取り消し、外注労働の恒久化、容易なレイオフ条件に関する条項を無効と宣言しなければならない」とサイド・イクバルKSPI会長は言う。
「国際支援が大きな役目を果たしており、私たちはインダストリオールとITUC(国際労働組合総連合)が積極的な役割を演じてくれたことに感謝している」
9月の第3回インダストリオール大会はオムニバス法に反対する連帯決議を採択し、ジョコ・ウィドド大統領に同法の取り消しを促した。
「憲法裁判所の決定と加盟組織の強力なキャンペーンを祝福する。そして、判決に従ってこの有害な法律を停止するよう大統領に求める組合の要求を支持する」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。