インダストリオールとITUC(国際労働組合総連合)、エスワティニの民主改革に関する緊急の包括的対話を要求
2022-02-02
【JCM記事要約】
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2022年2月2日:エスワティニで数人の学生指導者が逮捕され、伝えられるところでは、そのほかに警察署で拷問された者もいるという。組合によると、警察と軍が民主化運動家に対して過大な軍事力と実弾を使用する事件が何度か発生し、100人以上が射殺され、数百人が負傷したり独断的に逮捕されたりした。
労働組合と市民社会組織が対話に向けたエスワティニ政府の政治的意志の欠如と行動の遅さを懸念する中で、インダストリオールとITUCは、人および人民の権利に関するアフリカ委員会(ACHPR)、南部アフリカ開発共同体(SADC)および南アフリカ政府に手紙を書き、ムスワティ3世王政権に対し、労働者の権利と人権の尊重・保護に向けて行動を起こすよう促した。
それぞれインダストリオール、ITUCに加盟しているスワジランド合同労組(ATUSWA)およびスワジランド電力供給・保守・関連労組(SESMAWU)とスワジランド労働組合会議(TUCOSWA)によると、治安部隊が表現・集会・結社の自由に対する人権および労働者の権利、それに生存権を絶えず侵害している。
これは劣悪な賃金、貧困の悪化、失業率の上昇、COVID-19パンデミック、HIV/エイズを特徴とする厳しい状況下で生きている労働者にとって、生活を耐え難いものにしている。
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長、シャロン・バロウITUC書記長、クワシ・アドゥ・アマンクワITUCアフリカ書記長は、書簡に次のように書いている。
「アフリカ人権憲章と民主主義、選挙および統治に関するアフリカ憲章はいずれも、結社・集会の自由の権利を保護し、複数政党制を強化している(国内法に基づく反対政党への法的地位の付与など)。したがって、労働組合やその他の市民を含めて、エスワティニで民主主義を追求するために人権を行使する人権擁護者は、政府や治安部隊による攻撃や報復から保護されなければならない」
2021年12月にインダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所とITUCアフリカがオンライン会合を開催、南部アフリカ労働組合調整協議会(SATUCC)や南アフリカ労働組合会議(COSATU)などの組織が出席し、組合がエスワティニの民主化を求める協調的な汎アフリカ/グローバル・キャンペーンを開始することで合意した。
汎アフリカ研究ネットワークのアフロバロメーターが実施した2021年の調査によると、ほとんどのエスワティニ国民は、ムスワティ3世下の現在の絶対君主制による統治ではなく、複数政党制民主主義を支持している。現政権下では、独断的な逮捕・拘留によって言論・結社の自由が制限されているため、人々は率直に意見を述べることを恐れている。