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第147号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年6月17日)

職場で安全に働く基本的権利

2022-04-27

【JCM記事要約】

  • 国際労働者記念日の4月28日へ向け、インダストリオールは仕事の世界における死亡の流れを食い止めようとする世界的な取り組みの節目を祝おうとしている。
  • インダストリオールは全世界の組合員に対し、4月28日の行事や活動に参加し、中核的ILO安全衛生条約の批准などを使用者や政府へ要求するよう呼びかけている。また、安全衛生を基本的原則および権利として承認することを要求するため、実施している取組みをソーシャルメディアで共有するよう求めている。

 

2022年4月27日:4月28日の国際労働者記念日にあたり、避けられた悲劇的な死を遂げた労働者を追悼する準備をする中で、私たちは仕事の世界における死亡の流れを食い止めようとする世界的な取り組みの節目を祝いたいと考えている。よりよい明日には、安全衛生が労働における基本的原則および権利であることを知ったうえで、労働者が安全に働くようになる。
                                                      

「基本的権利に基づく安全衛生への取り組みは人権の視点を与える。国連ビジネスと人権に関する指導原則には、労働者の安全衛生を保護する義務・責任が盛り込まれている。そのような人権ベースのアプローチには、人権と労働安全衛生基準に一貫性を持たせる効果があり、すべての労働者が安全で健康的な労働環境で働く権利を共有するという原則を補強する」と松﨑寛インダストリオール書記次長は言う。

インダストリオール・グローバルユニオンは、2022年3月にILO(国際労働機関)理事会が、6月のILO総会で、労働における基本的原則および権利に関するILO宣言を修正し、労働安全衛生を盛り込むために議論を進めることで合意する旨決定したことを称賛しているが、私たちは合意以上のことを要求する。ILO100周年記念総会が修正に合意してから3年が過ぎた。

その間に「仕事が原因でおよそ810万人が死亡した。現在、それ以上に多くの人々が生活を変える怪我や病気を抱えて暮らしている」とシャラン・バロウITUC書記長は言う。

職場安全衛生研究所の推定によると、2017年には全世界で278万人が業務災害や仕事関連の病気で死亡した。仕事関連の死亡に占める割合が最も大きいのは仕事関連の病気で、推定総死者数のうち240万人(86.3%)を占め、致命傷が残りの13.7%を占めていた。世界保健機関の見積もりによると、2019年には職場関連の死亡が交通事故(99万9000人)、戦争(50万2000人)、暴力(56万3000人)、HIV/エイズ(31万2000人)による年間平均死者数を上回った。

「鉱業、船舶解撤、化学、繊維・衣料などインダストリオール関連部門の多くは、これらの統計値を反映しており、はっきりとした地域格差も見られる」とグレン・ムプファン・インダストリオール鉱業・安全衛生担当部長は言う。

他の基本的原則および権利と合わせて、安全衛生を基本的原則として承認すれば、労働者がこの闘いに勝つ機会を提供する。インダストリオールは全世界の100万人を超える組合員に対し、4月28日の行事や活動に参加し、使用者と各国政府に以下の対応を要求するよう呼びかけている。

  • 中核的ILO安全衛生条約を批准・実施すること。
  • すべての部門別条約または危険別条約を批准・実施すること。
  • 組合と使用者代表をまとめる国家安全衛機関を設置すること。
  • 職業病としてのCOVID-19の承認を含めて、万人のための労働衛生サービスと適切な補償を要求すること。

安全衛生を基本的原則および権利として承認することを要求して、どんな行動(ウェビナー、抗議、オンライン声明、嘆願、職場検査など)を起こしているか知らせてほしい。ソーシャルメディアでインダストリオールにタグ付けし、ハッシュタグ#IWMD22を使用のこと。

ILOは、ウェビナー「建設的な安全衛生文化の構築を目指して一致協力――2022年労働安全衛生世界デー」を主催した。これには、ガイ・ライダーILO事務局長と世界的な指導者や専門家が参加している。

カバー写真:Marcel Crozet/ILO

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