「労働者には強力な独立した代弁機関が必要」
2022-06-02
【JCM記事要約】
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6月1日のインダストリオール執行委員会に200人以上がオンラインで参加し、国際連帯が議題に上った。
イェルク・ホフマン・インダストリオール会長が開会の辞を述べ、ウクライナの戦争のさらなる激化を避けなければならず、私たちには国際労働組合運動の一角として責任があると強調した。
「インダストリオールは、この戦争に対して強硬な態度を取っており、連帯基金を設立し、キーウを訪問した。ヨーロッパの労働者はウクライナの同僚のために必需品を集めている。戦争は私たち全員に影響を与えており、サプライチェーンが崩壊し、エネルギー・食品価格が暴騰している。戦争前にその日暮らしをしていた人たちは、さらに大きな打撃を受けている。グローバルサウスの人々にプーチンの戦争の代償を払わせてはならない」
「ウクライナの戦争を理由に、世界の他の紛争地域に目をつぶってはならない。パンデミックに続く戦争、暴力、気候変動――自由と平和、権利平等への強い意欲が、かつてないほど必要とされている。労働者の強力な独立した代弁機関が必要であり、私たちはその強力な代弁機関になることができる」
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長が書記局報告で、民主主義と権利のために立ち上がらなければならないと述べた。
「団結権・団体交渉権は平和の基盤だ。しかし、悲惨な話ばかりではない。ブラジルでは、ルノー労働者が16日間のストを経て賃上げを獲得した。メキシコのSINTTIAはゼネラル・モーターズ工場で団体交渉権を獲得し、重要な象徴的勝利を達成した。ハイチの衣料労働者はゴム弾にさらされたが引き下がらず、GOSTTRAは組合員のために最低賃金を勝ち取った。タイでは、13カ月のキャンペーンの結果、ついにパンデミック下で不当解雇された衣料労働者に法定退職金が支払われた。フィンランドの製紙労働者は112日間のストで、労働協約を破ろうとした使用者に抵抗して大勝利を収めた」
ウクライナのインダストリオール加盟組織が現場の状況を報告し、非常に危険な状態にあることを説明した。例えば、ある鉱山では停電が原因で、鉱山労働者が暗闇の地下に閉じ込められた。この戦争で、学校や教育機関が修復できないほど破壊されている。数百人の子どもが負傷したり殺されたりし、レイプや殺害、拷問も行われている。
「しかし、私たちは自分たちにできることを続けており、皆さんの支援が必要だ」
加盟組織はウクライナの人々を支持して発言した。執行委員会は、ロシアのウクライナ侵攻を非難して攻撃の即時中止を求める声明を承認した。
5月に会合を開いたインダストリオール女性委員会が、執行委員会に討議内容を報告した。すべてのインダストリオール関連部門におけるジェンダー平等の促進、若い女性の権利拡大と参画促進、ジェンダー平等の促進にグローバル枠組み協定を利用する方法、ジェンダー賃金格差の解消――ジェンダー賃金格差とは何なのかが、それが実際に存在することが理解されていない。分類だけでジェンダー賃金格差を防止することはできない。
会合では、青年に関する大会決議を実行に移し、来年決議を実施するためのロードマップに先立って、各地域の若年労働者が一年かけて自分たちの優先事項を決めることが報告された。女性委員会は、能力強化が必要であり、第2層の指導部の構築を優先すべきことを承認し、若手指導者を促進するためのメンタープログラムを提案した。
執行委員会は、多国籍企業に関するインダストリオールの活動の戦略的方向を検討するよう求められた。これには、グローバル枠組み協定に関する作業部会の対象範囲と委任事項が含まれる。対象範囲を広げ、GFAだけでなく、多国籍企業に影響を及ぼすすべての手段を取り扱わなければならないことで合意した。さまざまな課題に対処するために、作業部会を小規模行動グループに分割しなければならないかもしれない。サプライチェーンで労働者の権利を保護するために、拘束力・強制力のあるグローバルな規則によってグローバルな企業の力に対抗する必要がある。討議は11月の次期執行委員会に持ち越され、そこで新しい作業部会が確定する。
会合は、10月7日の不平等に反対する世界行動デーを承認した。案の抜粋:
「生産性向上にもかかわらず世界中で不平等が拡大しており、多くの国々の労働者が生活費危機に直面している。労働者は、自分たちが生み出す富の公平な分配を必要としている。富の不平等な分配の問題に取り組まない限り、公正な移行も含めて他の分野で前進することはできない」
執行委員会は以下も承認した。
- 公正な移行に関するキャンペーンウィーク(11月8-20日にエジプトで開催されるCOP27前)
- 性差別と女性蔑視に関する大会決議の実施のためのロードマップ案
- インダストリオール関連部門におけるジェンダー平等促進策(案)