ICT電機・電子の劇的な変化に応じた組織化
2022-06-16
【JCM記事要約】
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ICT電機・電子運営委員会は、6月8日にオンライン会合を開いた。70人の参加者が、変わりゆく産業と、その結果として生じている課題を検討した。未来に備えるために、半導体企業と電子機器受託製造サービス(EMS)企業の組織化、デューデリジェンス法の利用、部門活動へのジェンダーの視点の追加を盛り込んだアクション・プランについて合意した
部会長を務める全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会(電機連合)の神保政史中央執行委員長とインドネシア金属労連(FSPMI)のプリハナニ・ボエナディの両名が、各自の開会の辞で、この産業が過去1年間にいかに劇的に変化したかに触れた。
米中のデカップリングとロシアのウクライナ侵攻の影響が原因でエネルギー・原料価格が急騰しており、各国はサプライチェーンを見直している。半導体やバッテリーへの投資の増加といった前向きな側面がある一方で、パンデミックとさらなる展開が、外部委託の増加や職場の社会心理的圧力のような課題をもたらし、労働者の不安定性を高める一因となっている。
インダストリオール加盟組織の全日本金属産業労働組合協議会は、年内に労働組合のための人権デューデリジェンス・ガイドラインを策定する予定である。さらに、日本の組合は今年の春闘以降、産業・企業両レベルの団体交渉で人権デューデリジェンスに取り組むために措置を取っている。
この部門の組合にとって重要なのは、労働者を組織化して保護し、サプライチェーンで労働者の福祉を改善することである。女性はこの部門の労働者の大半を占めており、女性の組合への参加を促進しなければならない。この会合の代議員の40%が女性だった。
アルメル・セビー・インダストリオール・ジェンダー担当部長が5月のインダストリオール女性委員会の結論とジェンダー賃金格差を発表したあと、参加者たちは、この部門で女性の認知度を高める方法と、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントの防止・対処への勧告を検討した。
その達成には、とりわけ、女性がセクシャル・ハラスメントについて話したり不満を述べたりできる安全な場の創出、苦情処理制度の強化、職場問題でもある家庭内暴力に関する認知度の向上、GBVHに関する訓練と意識向上、既存の労働安全衛生方針へのGBVHの統合、組合指導部や労働協約交渉担当への女性の登用促進が含まれる。
アレクサンダー・イワーノウ・インダストリオールICT電機・電子担当部長が述べた。
「ICT電機・電子市場は成長すると予測されており、防衛産業用エレクトロニクスは現在需要が多く、半導体需要が激増している」
「原料不足、サプライチェーン問題、人材不足と相まって、デジタル・トランスフォーメーションの継続的な加速は労働者と組合に課題をもたらしている。加盟組織を助け、この産業とサプライチェーンの両方でできるだけ多くの労働者を組織化するために努力を急がなければならない」
参加者はアクション・プランについて合意した。半導体小部門で労働者を代表している組合は、特別組合ネットワークを創出することで合意した。電子機器受託製造サービス(EMS)企業の小部門でも同様の戦略を推進していく。
ジェンダーの視点は依然、この部門の活動の重要部分である。労働組合がジェンダーに配慮した労働安全衛生アプローチを採用できるようにする教育と手段に、特に主力を置く。
インダストリオールと加盟組織は、ヨーロッパ内外で採択されている人権とデューデリジェンスに関する一連の法律を通して、この部門で増えている労働者・組合の権利促進の機会を利用することにしている。