悪化するミャンマーの強制労働の現状
2025-01-22
2021年2月1日にミャンマーで軍事クーデターから、もうすぐ4年が経とうとしている。ミャンマーの労働者の状況は悪化の一途をたどっており、国内の縫製工場では労働条件の悪化や強制労働が蔓延している。
縫製労働者は残業代や 手当なしで時間外労働を強いられ、過剰な生産目標が課され、賃金未払いが常態化し、未成年者が違法に雇われている。労働組合が存在しないため、怒鳴ったり侮辱的な発言をしたりするような卑劣な扱いは日常茶飯事であり、もし使用者に賃金の未払いを抗議すれば、抗議を鎮圧するために軍隊が投入される。
ミャンマー・レーバー・ニュースによると、ワンダフル・アパレル社の縫製労働者は日給1万チャット(4.70米ドル)で、夜通し働くよう求められた。時間外労働を拒否すると、19人の労働者は即刻解雇された。社会保障費は賃金から差し引かれていたが、労働者は医療給付を受けることができなかった。カリス鋳造工場の労働者500人が適正な賃金と時間外労働の支払いを求めてストを起こしたところ、13人の労働者が解雇され、2人の労働者が工場の外で暴行を受けた。
ミャンマー労働組合総連合(CTUM)は、強制的な時間外労働について懸念を表明し、縫製労働者は不合理な目標を与えられ、通常の労働時間内ではこなせないという理由で長時間労働を強いられていると述べた。工場経営者が労働者に大声で怒鳴ったり、時間外労働を拒否する労働者の帰りの交通手段の手配を拒否したりすることもしばしばある。CTUMによれば、クーデター後、労働者は法的権利を失った。休暇を取れば賃金が差し引かれ、3日間休暇を取れば解雇される。
ミャンマーの縫製労働者の状況は、国際労働機関(ILO)の定める強制労働の指標(脆弱性の悪用、騙すこと、身体的暴力、脅迫・脅し、賃金の差し控え、過度な時間外労働)にすべて合致する。ILOは、軍事政権のILO理事会への参加を差し止め、すべての技術支援を停止した。また、2025年の第113回ILO総会の議題に、調査委員会の勧告をミャンマーが遵守することを確保するため、ILO憲章第33条に基づく措置に関する項目を掲げた。
昨年11月、インダストリオール・グローバルユニオンは、ネクスト、ニューヨーカー、LPPの3大手衣料品ブランドに対し、OECDのナショナル・コンタクト・ポイント(NCP)に苦情を申し立てた。ミャンマー軍事政権下で労働者の 権利侵害が続いているという圧倒的な証拠があるにもかかわらず、これらのブランドはミャンマーへの発注を続け、労働権と人権の蹂躙からの利益を得ている。
「ミャンマーにとどまるブランドは、恐怖、強制労働、搾取の環境から利益を得ている。労働者の権利侵害と結社の自由の欠如に関する広範で包括的な報告がある。人権デュー・ディリジェンスには労働者の参加と独立した検証が必要だが、軍事政権下では不可能だ」。
とインダストリオールのアトレ・ホイエ書記長はその時に述べた。
さらに、軍事政権は移民労働者の監視を強化し、彼らの稼いだ金で利益を上げている。ミャンマーの国民統一政府(NUG)は2024年12月5日に声明を発表し、タイ政府に対し、タイにおけるミャンマー人労働者の抑圧を支援しないよう訴えた。NUGによると、軍事政権はタイ政府に対し、ミャンマー人出稼ぎ労働者の個人情報と納税情報を軍事政権と共有するよう要請しており、送金は固定為替レートで軍事政権が指定した銀行に送金されなければならず、出稼ぎ労働者の負担で送金コストは2倍、3倍になるという。
軍事政権は町や村を無差別に爆撃し続け、多くの死者、甚大な破壊、国内避難者を出している。徴兵法が承認されて以来、軍は内戦に参加させるため、若者を次々と捜索・逮捕している。2024年11月には、軍が移民労働者を雇用仲介業者を通じて兵役に呼び戻すことを認める指令が出された。
「インダストリオールの組合員を含め、軍事政権の抑圧下で生きる何百万人ものミャンマー人労働者のために、私たちは国際的なブランドに対し、ミャンマーでのビジネスから手を引くよう繰り返し呼びかける。彼らのビジネスは、ミャンマーにおける強制労働と労働者の血の上に成り立っている。労働者の権利を守り、ミャンマーに民主主義を回復させなければならない。」
とインダストリオール書記長のアトレ・ホイエは言う。
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/myanmars-forced-labour-situation-is-worsening