広報ニュース

第185号インダストリオール・ウェブサイトニュース

ミャンマー:軍事政権による独立労働組合への深刻な攻撃

2025-02-06


ミャンマーの軍事政権は、独立労働組合に対する深刻かつ容認できない攻撃を盛んにに画策している。国家行政評議会(SAC)は、合法的な労働組合運動を弱体化させるために、別の正統性の無い労働組合機構を創設した。


インダストリオールは、ミャンマー労働組合連盟(CTUM)の加盟組織であるミャンマー製造業労働者連盟(IWFM)から、SACがミャンマー労働総連合(MLC)を推進しているとの情報を得た。MLCは、CTUMやIWFMのような独立組合に取って代わることを目的とした、国が後押しする組織である。

SACは2023年にMLCを立ち上げ、その際、労働副大臣がラインタヤ工業地帯の労働者を呼び出し、CTUMの指導部と入れ替わるよう指示した。それ以来、MLCがSACの労働省(MOL)と緊密に連携し、労働者、使用者、国際的な利害関係者に対してCTUMを装っていることが明らかになっている。これらの行為は、政府が労働省を管理する立場を利用して、自らの権力を高めるために独立組合を解体しようとする政権の戦略を浮き彫りにしている。

SACは今年1月、MLCが労働組合教育ワークショップと偽ってイベントを企画した際に、その干渉をエスカレートさせた。実際には、警察と特別捜査官による厳しい監視下で実施されたこのイベントは、IWFM内にSAC寄りのリーダーシップを確立するための手段となった。この厳重な警備体制は、国家の介入を恐れることなく、自由に結社し団結する労働者の権利を抑制することにSACが直接関与していることを示している。

このような労働組合に対する国の攻撃は、結社の自由(第87号条約)や団結権および団体交渉権(第98号条約)といった基本原則を初めとする国際労働基準に違反している。SACは、調査委員会(COI)の勧告に従うどころか、独立労働組合の解体に一層力を入れ、国家が管理する労働組合に置き換えることで、労働者の権利を損なっている。

SACの行動は、威嚇や干渉によって労働組合を弱体化させる軍の役割を非難したCOIの調査結果に真っ向から反するものである。COI報告書(第173段落および第174段落)は、軍による組合活動に対する組織的な弾圧を強く指摘しており、最近の動きはこうした懸念を裏付けるものである。CTUMの地位に関する政権側の虚偽の主張、特にSACの監督下でCTUMの指導部の再選挙を強行しようとする試みは、ミャンマーの労働組合運動を分裂させ、支配下に置こうとする軍の戦略を明らかにしている。

CTUMはまた、SACがCTUMやIWFMを含む他の独立組合の旗を違法に横取りし、軍事政権への反対勢力を弱体化させることを目的とした、政府管理下の「御用組合」を広めようとしていることを報告している。組合のシンボルの盗用は、SACが現在も労働者の権利を剥奪し、組合運動を統制しようとキャンペーンを続けていることを明白に示している。

インダストリオール・グローバルユニオンはILOに書簡を送り、ミャンマーが第87号条約と第29号条約、および第102回(2013年)と第109回(2021年)のILO総会からの関連決議に準拠していないことについて、第353回理事会の議題12でこの問題を議論するよう要請した。インダストリオールとインダストリオール・ヨーロッパは共同でEUに書簡を送り、この攻撃を強く非難し、ただちに措置を講じるよう促す。

インダストリオール書記長のアトレ・ホイエは次のように述べている。

「ミャンマーの状況は緊急の国際的行動を必要としている。MLCの設立は、同国の労働者の権利と独立した労働組合主義に対する直接的な攻撃である。国際社会はSACに責任を取らせ、ミャンマーの労働者の真の結社の自由と団結権の回復を要求しなければならない。ミャンマーで事業を継続する国際ブランドと投資家は、今こそ目を覚まし、同国から撤退しなければならない。」

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/myanmar-the-military-regimes-dangerous-attack-on-independent-trade-unions

« 前のニュース  次のニュース »