インドの自動車労組、労働者の権利と条件を強化するために団結
2025-03-03
インドの自動車部門は急速に拡大しているが、業界の成功の背後で、労働者は低賃金や不安定雇用、危険な労働条件と闘っている。それを受けて、インドの自動車労組は3月3日にプネーに集結し、調整を強化するとともに、労働者の権利を保護するための戦略を策定した。
インダストリオール・グローバルユニオンとユニオン・トゥ・ユニオンが開催したこの全国ワークショップには、13の工場組合とインダストリオール加盟組織4団体、すなわちINSMM&EEF(INTUC)、WPTUC、SMEFI(HMS)およびSEM、それにさまざまな多国籍企業の加盟候補組合が参加、調整委員会を正式に設置し、不安定雇用への対処、賃金改善、より安全な職場を求める闘いのための明確な計画を立てた。
「インドの自動車産業は急成長しているが、この成功は不安定雇用と危険な労働条件の上に成り立っている。企業が利益を得ている一方で、労働者は代償を払っている。組合は現状を変えるために闘っている」とアシュトシュ・バッタチャリア・インダストリオール地域事務所所長は言う。
インドは世界で4番目に大きい自動車市場で、予想年間成長率は20%、2023年までに1500億米ドルのEV市場になると予測されている。これらの経済的利益にもかかわらず、労働条件は不安定なままである。
- 労働者の60〜65%が不安定・不確実な仕事に就いている。
- 賃金は低いままで、月2万5000〜5万インド・ルピー(およそ285〜570米ドル)である。
- 労働安全衛生(OHS)が主要な関心事で、労働者の20%が労働災害に遭っており、30歳未満の若年労働者が大半を占め、補償がない場合が多い。
- パンデミック下の失業により、この部門の雇用の脆弱性が浮き彫りになった。
新設の調整委員会は、明確な優先行動を設定した。
- 女性、青年および不安定労働者の代表強化によって、主要グループにターゲットを絞る。
- 団体交渉で公正な移行を取り上げる。先ごろプネーで締結された労働協約には公正な移行に関する文言が盛り込まれ、将来の協定の先例を作った。
- 部門全体で交渉の成功事例の枠組みを構築することによって、モデル労働協約を開発する。
- 勢いを維持するために定期総会と地方レベル調整を行うことによって、統治を強化する。
マルチ・スズキ、トヨタ、ボルボ、ルノー・日産、ヤマハ、ボッシュといった企業から参加した組合は、組織化努力を強化し、部門の労使関係危機に抵抗することを約束した。
「インドの自動車労組は信じがたいほど強い決意を示している。女性・若年労働者はホワイトカラー雇用と不安定雇用に就いており、労働安全衛生に関する権利がほとんどない不安定な状況で働かされている。これは単なる雇用の問題にとどまらず、この部門の労働者の尊厳、公正な賃金および未来の問題だ」とバッタチャリアは言う。
「団結することによって、不安定雇用に抵抗し、全労働者のためにより安全で安定した雇用を要求することができる」
組合は今後、調査結果をもとに今年9月までに部門のマッピングを行い、組織化戦略を練り上げて労働者の権利を向上させていく。インダストリオールは、インドで自動車労組を支援してきた10年以上の経験に基づき、強力な全国ネットワークの構築を手伝い、インドの自動車労働者が産業の未来を形成するうえで発言権を持てるようにするために尽力している。