アジア太平洋地域大会で各国の闘争への支援と女性代表の割合40%への引き上げを確認
2014-05-22
第1回インダストリオール・アジア太平洋地域大会
各国闘争への支援と女性代表4割への引き上げを確認
インダストリオール・グローバルユニオンのアジア太平洋地域大会は、バングラデシュ、カンボジア、韓国、スリランカ諸国における加盟組合の闘争への支援を表明し、国際指導部と執行委員会で女性代表の割合を最低40%に引き上げるという案を確認した。
インダストリオール・グローバルユニオンの規約に基づく第1回アジア太平洋地域大会が、2014年5月15~16日にタイのバンコクで開催され、230人の参加者が集まった。その前日には、80人を超える女性代表が出席してアジア太平洋地域女性会議を開催した。
アジア太平洋地域大会において、代議員は、インダストリオールの目標と戦略を討議し、以下の優先行動に焦点を当てるという組合の方針を確認するバンコク宣言を採択した。
1. 組合の力の構築と組織化努力の拡大
2. GFA、組合ネットワーク、共同行動の強化などによる多国籍企業への対応
3. 労働者の権利擁護
4. 不安定雇用との闘い
5. 持続可能な産業関連雇用の確保
6. 女性のリーダーシップと参画の強化
7. 各組織・地域の多様性を真に代表するインダストリオールの組織機構の確保
地域大会は、いくつかのアジア太平洋諸国における組合活動家や民主活動家の迫害・投獄の実態が報告され、これを非難する決議を採択した。代議員は、生活賃金や団結権を求めて闘っているカンボジアの衣料組合への支援を約束した。スリランカのアンセルや韓国のサムスンなど、労働組合の組織化や団体交渉に抵抗し、低賃金を支払い、安全で健康的な労働条件を提供していない企業を非難した。
アジア太平洋地域大会は、同地域女性会議が提案した決議を採択し、インダストリオールに対し、指導部、執行委員会、組合構築プロジェクトその他の活動をはじめ、インダストリオールの全レベルで最低40%の女性代表という割り当てを設けるよう規約の改正を求めた。産業部門では、男女それぞれ1名ずつの共同議長を置く必要があるとしている。
同地域大会は、会議途中で、バングラデシュのラナ・プラザやトルコのソマ炭鉱で発生したような産業事故で死亡した労働者に黙祷をささげた。代議員は衣料品メーカー企業に対し、サプライチェーンにおける労働条件や自らの行動の影響に責任を持ち、死傷事故犠牲者の十分な補償資金を確保するために、ラナ・プラザ信託基金に拠出するよう求めた。
インダストリオールはITUCと協力し、ASEAN経済共同体や自由貿易協定、二国間協定で労働組合として強い姿勢を取り、労働者の権利を盛り込ませて投資保護条項を拒否するよう求められた。
この地域大会では、タイ産業労働組合総連合(CILT)に再結集したタイの加盟組織を代表するヨンユット・メンタパオ氏、西原浩一郎JCM議長兼インダストリオールアジア太平洋地域議長ならびに浦元義照ILOアジア太平洋地域総局長が開会の辞を述べた。