インダストリオール、NXP社のiPhone 6生産における労働権侵害を指摘
2014-07-09
伝えられるところによれば、多国籍電子メーカーのNXPは新しいiPhone 6のマイクロチップ技術を提供する。インダストリオール・グローバルユニオンはアップルに対し、NXPのフィリピン事業に介入して、解雇された労働組合員24人の職場復帰をはじめ、公正な解決を確保するよう要求した。
いくつかの国々の労働組合は7月2日に国際行動デーを実施し、NXP労働者24人の復職を求めた。この国際行動デーはニュージーランドのファースト・ユニオンが開始し、アジア太平洋地域を中心に行動が続いた。現地経営陣に執念深く攻撃されているNXP労働者は、インダストリオールに加盟するフィリピンの金属労組MWAPの組合員である。
解雇された労働組合員24人の中には、レデン・アルカンタラMWAP全国会長も含まれている。
インダストリオール・グローバルユニオンのユルキ・ライナ書記長は、7月8日付のティム・クック・アップルCEOへの書簡で次のように説明した。「フィリピン・ラグナ州カブヤオのNXP経営陣による悪意に満ちた組合つぶしは、近日発売予定のiPhone 6に暗雲をもたらしています。iPhone 6生産のこの重要な段階で、労働者が結社の自由と団体交渉に対する基本的権利を否定されていることが分かれば、消費者は失望するでありましょう。アップルがこの問題の解決に緊急に取り組まなければ、組織化を理由に労働者を処罰するために、偽りの口実を設けて組合活動家24人を解雇した行為は、ILO第87号条約および第98号条約の違反に該当するだけでなく、自社製品を作っている開発途上地域の労働者に対するアップルの態度を、この上なく明白に知らしめることにもなるでしょう」 「アップルが緊急かつ効果的に介入してNXPフィリピンでこの問題を解決し、サプライヤー責任ガイドラインに従わせつつ、この施設から引き続き部品を調達できるようにすることを期待しています。私たちはNXPSCIがいくつかの有名ブランドを供給していることを知っており、アップルが解決に達するために対応を主導するよう求めます」
問題の現地NXP子会社は、NXPセミコンダクターズ・カブヤオ・インコーポレイテッド(NXPSCI)である。NXPSCIはフィリピンの経済特区の1つにあり、組合に対する敵対的な態度と外部委託率の高さで有名で、約5,000人の労働者を雇用している。
NXPSCI労組は、2013年12月から実施されている現行CBAを更新するために、経営側と誠実な団体交渉を行おうと試みた。組合交渉単位の2つの優先課題は、低賃金の8%引き上げと、工場の不安定契約労働者の正規雇用化だった。2年以上にわたって自動更新契約で働いている労働者もいる。
現地経営陣は組合をつぶして賃上げ要求を阻止するために、4月9日、17日、19日と5月1日に出勤しなかったという偽りの嫌疑で、5月5日に主要組合員24人を解雇した。4月9日、17日、19日はすべてフィリピンの祝祭日であり、5月1日は労働者の日で、現行CBAの規定に基づき、組合員はこの日を祝うために仕事を休むことができる。NXPSCIの就業規則によると、経営側は従業員に対し、賃金倍額で休日労働を要求することができるが、4月、5月の上記の日にそのような要求はなかった。経営側は、組合指導者24人の欠勤を非合法ストとみなした。
経営側は、自分たちの主張する条件で新しいCBAを強行し、組合を完全につぶすために、それ以外にも一連の攻撃的戦術を利用している。
この解雇以来、インダストリオール、MWAPおよびレイバースタートによるオンライン・キャンペーンに、8,000人以上の支持者が加わった。
NXPは、昨年タイで労働者をロックアウトするなど、甚だしい労働権侵害を犯してきた歴史がある。NXPは現在、台湾の施設におけるボーナス不払いをめぐって、インダストリオール加盟組織ROCMUとも紛争中である。
インダストリオールは現在、韓国での労働権侵害でサムスンを非難しているが、アップルはサムスンの主な競合相手である。インダストリオールは、市場をリードする両エレクトロニクス企業が、サプライチェーン全体で最低限の国際労働基準を確保し、自社製品を作る労働者を敬意を持って扱うよう求めている。