インドの造船所で5人死亡、組合が安全を求めて闘争
2014-07-23
インドにある世界最大の船舶解撤場で労働者を代表するインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のASSRGWAは、先月この現場で発生した死亡事故を受けて、安全検査官の大集会を開催した。
グジャラート州バウナガール地区のアラン船舶解撤場でガス爆発が発生し、労働者5人が死亡、8人が負傷した。全員が出稼ぎ労働者だった。
ASSRGWAは2014年7月21日、政府港務官、工場監督官および副労働委員の監督下で、アランの安全担当者の会合を招集した。解撤場の安全管理者・安全監督者・現地指導員167人が出席、最近の死亡事故について議論し、安全な労働環境の創出によって将来の事故を防止する方法を検討した。
2014年6月28日に亡くなった5人の労働者は、船舶解撤会社のパラス・スチール・コーポレーションに雇われて廃棄ケミカルタンカー「D・V・ペリン」を解体していた。この事故は、ケミカルタンカーのような危険廃棄物の絶対確実な処分・解体手順の採用に対する使用者側の無関心を改めて浮き彫りにしている。アラン船舶解撤場では1月以降15人が死亡しており、ずいぶん前から作業者の安全性がASSRGWAの課題となっている。
ASSRGWAが圧力をかけた結果、政府当局は事故原因の調査を開始した。同労組は、調査が終了するまで解撤場を閉鎖することも要求している。
V・V・ラネー・インダストリオール船舶解撤プロジェクト・コーディネーターは、いち早く事故現場を訪れ、「パラス・スチール・コーポレーションによる重大な過失と安全対策の欠如が規制・執行当局の無関心と相まって、労働者5人の産業殺人を招き、遺族に取り返しのつかない損害を与えた」と述べた。
ASSRGWAは事故の調査を要求しているだけでなく、亡くなった労働者の遺族と負傷した労働者への補償も求めている。ASSRGWAは省庁間委員会とインド国家人権委員会に対し、迅速な責任者の処罰と補償請求手続きも要求している。