ジンバブエの電力事業で相変わらず無視されている労働者の権利
2012-08-30
ZESAは、賃上げの仲裁裁定に従うようエネルギー大臣に命じられたにもかかわらず、電力労働者に停職中の労働者の復職と引き換えに賃上げを放棄させようと画策を続けている。(写真はアンジェリナ・チタンボさん)
ZESA労働者を支援するインダストリオールとレイバースタートのキャンペーンに加わろう。
国有事業のジンバブエ電力供給公社(ZESA)は7月17日、スト警告を理由に電力労働者135人に賃金・給付なしの停職処分を課し、労働者に賃上げ分を支払う余裕がないと主張した。
ZESAはジンバブエ電力労組(ZEWU)に圧力を加え、仲裁裁定を拒否して賃上げに関する新しい仲裁プロセスを開始させようとしている。同社は裁定放棄の見返りとして、逸失賃金・給付の遡及支払いなしで労働者を復職させると申し出ている。またZESAは、インダストリオール執行委員でもあるアンジェリナ・チタンボZEWU会長と、やはり同社で停職処分を受けているその他2人の役員についても、12カ月の最終警告を提案している。これはZEWUの選出役員に対する発言禁止命令に等しい。
8月28日に会社が開いたチタンボの聴聞会で、ZEWUは彼女の事件をZESA外部でも審理するよう要請した。というのも経営側は、チタンボの復職をZEWUに賃金裁定を放棄させるための取引材料として利用し、彼女がZEWUで指導者としての任務を遂行できないようにしようと決意していると思われるからだ。
一方、各地のZESA支社が停職に関する聴聞会を開き始めており、すでに45人の労働者が無罪とされ、復職して賃金・給付を支給された。
今なお停職中の労働者のうち約70人が北部におり、現地で3人の労働者の聴聞会が開かれた結果、解雇が決まった。ZEWUは解雇に異議を申し立てており、北部の経営陣が法律に従っていないことを理由に、この地域で停職中の労働者の聴聞会を労働裁判所に移すよう求めている。
南アフリカの加盟組織である全国鉱山労組と南アフリカ全国金属労組はそれぞれ、南アフリカ共和国の公益事業エスコムの経験豊富な職場委員をジンバブエに派遣し、ZEWUに連帯支援を提供させている。この職場委員たちは、ZESAと交渉するための戦略を策定するだけでなく、停職中の労働者に連帯メッセージも伝えて支援している。
ZEWUは、インダストリオールの加盟組織によるすべての支援に大いに感謝している。「援助の手を差し伸べてくださったことに感謝する。おかげでZESAと闘う力を与えてもらっている。ZESAは次々に要求を出してくるので、この闘いは容易ではない」とチタンボは言う。
「しかし皆さんの連帯により、世界中の労働者が私たちの味方についていること、私たちが当然の権利を勝ち取れることをZESAに証明することができた」