ロシアのインダストリオール加盟組織ITUWA、短期契約の阻止に成功
2015-02-12
ロシアのインダストリオール加盟組織ITUWAが、今週、達成した重要な法的勝利は、地域の自動車産業における不安定な臨時契約との闘いの良き先例を示した。
中央ロシアにあるカルガ地域裁判所は2月9日、ロシア・カルガのPCMAルス自動車工場で短期雇用契約の満了時に解雇された女性従業員2人の復職を決定した。この工場では過去2年間に短期契約が広く採用されてきた。これによって使用者は労働者の権利を不正に扱い、不要な従業員を契約満了時に追加コストなしで解雇できるからである。
プジョーとシトロエン、三菱の車を組み立てているPCMAルス(プジョー・シトロエン・三菱オートモービルズ・ルス)工場は、2年近く前に常用契約による労働者の雇用をやめた。中核事業の労働者は、3~6カ月の短期契約に基づいてのみ雇用されている。その後、これらの契約はもう1期延長されて従業員を不確実な状況に置き、延長がなければ労働者は短期契約満了時に解雇された。
ロシアの労働法によると、短期契約を合法的に締結できる理由は限られているため、PCMAルスが短期労働者を雇用するために挙げた表向きの理由は「一時的な生産拡大」である。そのような拡大は労働法で1年までしか認められていないにもかかわらず、過去2年間、この理由が利用されている。その反面、短期従業員の職務は常勤契約労働者の職務とまったく同じだった。
一時的な拡大を口実に、常用労働者が徐々に臨時労働者に取って代わられている現在、PCMAルス工場従業員の40%近くが短期契約で働いている。
ITUWAはこの慣行に繰り返し反対してきた。というのも、短期契約は経営側にとって、契約をもう1期延長しないことによって、どんな理由(組合加入を含む)でも労働者を解雇できる強力な手段だからである。これはまさに上記のPCMAルス女性従業員に起こった出来事であり、2人はITUWA地方組合に加入した結果、使用者から短期契約の延長を拒否された。しかしITUWAは裁判所に上訴し、この解雇は不当であると主張した。両女性従業員は判決によって復職し、今では常勤雇用と認められている。
この判決は、PCMAルス経営陣がしつこく促進し、地方当局が支持した短期契約の慣行を阻止するものであるため、非常に重要である。これに先立って、カルガ検察局とカルガ地方裁判所は、「短期契約満了後」の従業員の解雇を合法的かつ合理的と認め、PCMAルス工場で短期契約を利用できることも確認した。この判断はカルガの企業経営者に間違ったシグナルを送り、多くの会社が短期契約導入計画を立案し始めた。
ITUWAの組合活動家は、臨時労働との闘いにおけるこの重要な勝利が、PCMAルス工場で短期契約を一斉に常勤契約に切り替える措置の始まりにすぎないことを確信している。企業にとっては非常に都合がよいが、カルガ地域で常用雇用を消滅させることになりかねない臨時雇用の拡大を阻止する必要がある。