レソト・ジョンソン・コントロールズで組合つぶし疑惑
2015-02-10
アフリカ南部に位置するレソト王国において、レソト・ジョンソン・コントロールズは2015年1月末、50人の労働者を不当解雇した。労働者全員がインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織である全国繊維労組(NUTEX)の組合員で、労働組合権・労働権侵害の懸念が持ち上がっている。
不当解雇の理由は、労働者が試用期間中に基準に達しなかったことである。だがレソトの法律は、労働者との契約締結を義務づけ、試用期間は4カ月を超えてはならないと規定している。解雇された労働者の中にジョンソン・コントロールズと契約を結んでいた者はおらず、4カ月を超えて同社で働いている者もいた。この解雇に先立って、NUTEXは会社側に要求を提出し、賃上げその他の給付だけでなく組合承認も確保するために交渉を開始したいと考えていた。同社の機械工の月給は100米ドル程度にすぎないが、品質管理労働者はその倍以上の賃金を得ている。
「労働者は、2つの労働者区分の賃金にこれほど大きな差を設けるべきではないと感じている」とソロング・セノヘNUTEX書記長は言う。「レソトの機械工は生存賃金にすら届かない賃金しか得ていないが、彼らがいなければ製品は作れない。機械工たちは少なくとも生活賃金には値する」
ジョンソン・コントロールズはレソトで約600人の労働者を雇用しており、うち約350人が組合員である。セノヘ書記長は、この解雇は組合員の割合を組合承認に必要な51%未満に引き下げようとする画策だったのではないかと懸念している。少なくとも、今回の解雇は残った労働者を威嚇し、要求を取り下げさせようとしているのだろう。
インダストリオールはレソトの経営陣に書簡を送り、解雇された労働者の即時復職、NUTEXの承認、労働者の要求に対応するための組合との交渉を会社側に強く要求した。ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は次のように警告している。 「グローバル・ユニオン・ファミリーには、世界中の御社事業で労働者を組織化している他のいくつかの組合も加わっています。レソトのジョンソン・コントロールズで問題が解決されなければ、これらの組合にも支援を要請する可能性があります」
一方、インダストリオール加盟組織である南アフリカ全国金属労組(NUMSA)のイルヴィン・ジム書記長も同社に書簡を送り、ジョンソン・コントロールズから部品を調達している自動車会社数社がインダストリオールとグローバル協定を締結し、サプライヤーと協力して公正な労働慣行を遵守する旨約束していることに注意を促した。「レソトにおけるジョンソン・コントロールズの行為は明らかに、私たちが合意した原則に違反しています。私たちは御社に、協約の実施について議論する今年の国際会議の議題になってほしくありません」とジム書記長は述べている。「この問題が円満に解決されなければ、ジョンソン・コントロールズに対抗する国際キャンペーンを求めざるを得なくなるでしょう。私たちはジョンソン・コントロールズ南アフリカの組合員と御社が部品を供給している各社に、レソトの状況を伝えています」