インダストリオールとティッセンクルップ、基本的権利の促進に関するグローバル協定を締結
2015-03-20
インダストリオール・グローバルユニオンは、世界80カ国近くで15万人以上の労働者の権利を保護・促進するために、金属産業のさまざまなセグメントで活動するドイツ系多国籍企業ティッセンクルップと、グローバル枠組み協定(GFA)を締結した。
ドイツのインダストリオール加盟組織IGメタルとティッセンクルップ従業員代表委員会は、2015年3月16日にエッセンの同社本社で執り行われた式典で、ティッセンクルップとのGFAプロセスを完了した。このGFAは、同社の事業全体に組合員がいるインダストリオール加盟組織と協議して立案された。このプロセスは、アメリカとイタリアの労働争議の解決策を見つけるうえでも重要な役割を果たした。
インダストリオール会長としてGFAに署名したベルトホルト・フーバーは、この新しいGFAを「流れを決める協定」と呼んだ。この協定では、苦情処理制度や国際委員会への関与によって、労働者代表の参加が確保される。フーバー会長は、さらに次のように述べた。
「グローバルに活動する多国籍グループは、労働者に全世界で公正な労働条件を提供し、労働者の利益となるように既存の規則や規制、法律を守るよう確保しなければならない」
協定に従って、ティッセンクルップは、世界中のすべての子会社で国際基準、特に国際労働機関(ILO)の原則に従う義務を負う。この原則には、ILO条約第29号、第87号、第98号、第100号、第105号、第111号、第138号および第182号が含まれる。新たに締結されたGFAに基づき、ティッセンクルップは以下の原則を尊重することを約束している。
●機会均等と平等な待遇
●各国でそれぞれの法律、団体交渉協約その他の協約に定める最大労働時間
●妥当な報酬を受け取る全従業員の権利
●従業員の安全衛生は重要な問題であり、ティッセンクルップは安全で衛生的な労働環境に関する地域法を遵守する義務を負う。
●すべての従業員は、労働組合や従業員代表機関を設立し、団体交渉を行う権利を有する。
●あらゆる形態の児童労働と強制労働は禁止される。
このGFAには、さまざまな労使代表が参加する国際委員会を通して実施・監視を行うための強力な条項も盛り込まれている。
ティッセンクルップは世界有数の金属会社で、自動車産業、エレベーター、エスカレーター、材料管理および産業サービス用の部品やシステムを提供している。