ロシアの自動車労組がGFAめぐり討議
2015-04-29
2015年4月23~24日にモスクワ地域でロシア自動車産業の組合を対象に、ロシアで利用すべき手段としてのグローバル枠組み協定(GFA)に関するワークショップが開催された。
このワークショップは、インダストリオール・グローバルユニオン、フリードリヒ・エーベルト財団(FES)、社会・労働権センター、ロシア独立労働組合連盟(FNPR)、ロシア労働同盟(KTR)が組織したものである。参加者数は36人で、アフトワズ、GAZ、フォード、フォルクスワーゲン、GM、ボッシュ、プジョーシトロエン三菱自動車ロシアなど、ロシアで活動する最大規模の自動車組立・自動車部品工場から、インダストリオール加盟組織(ロシア自動車・農業機械労組、ROSPROFMASH、ITUWAを含む)の代表が出席した。ドイツとフランスのフォード、ルノー、レオニAGの組合員が、GFAの利用に関する経験を共有した。
参加者はグループに分かれて活動し、GFAの目的・原則・価値、GFAの効率的な利用のために整えるべき条件、ロシアにおけるGFAの今後をめぐり討議した。議論の結果、ロシア企業の労働者と組合の大多数がGFAを認識していないか、GFAの文言が一般的すぎるため、その利用方法を知らないことが明らかになった。ロシアではGFA実施の経験が不足しており、GFAに従うよう使用者に圧力を加える方法に関する知識もない。参加者のほとんどが、ロシアにとっては、労働者の権利を規定・保護する労働法や、これらの権利を適用する団体交渉協約があれば十分だとも述べた。
モスクワのインダストリオール・グローバルユニオン地域代表バディム・ボリソフと、ボリス・クラフチェンコKTR会長が、フォルクスワーゲンやルノーといった多国籍企業のロシア支社で、紛争解決や組合活動の確立、使用者との社会的対話のために組合がうまくGFAを利用している例をいくつか挙げた。
オレグ・ソコロフFNPR書記が、グローバル資本主義の要求に対する組合の対応を打ち出し、世界で最も優れた手段を研究する必要があると強調し、GFAはそのような手段の1つであると指摘した。
このワークショップは、11月にモスクワで開催される組合と使用者団体、政府機関の政労使GFA会議に向けた活動の1つである。