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第36号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2015年5月)

インダストリオール、イギリスの鉄鋼労働者を支持

2015-05-21

  インダストリオール・グローバルユニオンは、年金を守るために闘っているイギリスのタタ・スチール労働者を全会一致で支持した。この支持は、5月20日(水)のストックホルム執行委員会の決議に盛り込まれた。

 英国タタ・スチール経営陣がブリティッシュ・スチール年金制度の廃止計画に関する交渉を拒否したことを受けて、インダストリオール加盟組織のコミュニティー、ユナイト、GMBは現在、争議行為の実施について同社で組合員に投票を求めようとしている。

  年金制度が廃止されれば、従業員は予定どおりの60歳ではなく65歳で退職しない限り、年金の平均25%を失うことになるとみられている。

  組合員が争議行為を承認すれば、イギリスの鉄鋼部門で30年ぶりの全国ストになる。

  コミュニティー出身のロブ・ジョンストン執行委員は、決議の提案にあたって次のように述べた。

 「タタ・スチールは世界トップレベルの倫理的企業であることを誇りにしている。しかし、同社は自らの価値観を弱め、その価値観から離れ始めている。……タタは対話を拒否している」

  コミュニティー組合員のロブ・ミドルマスは、イングランド北東部スキニングローブのタタ鉄鋼工場(かつてはコーラスとブリティッシュ・スチールが所有)で39年にわたって働いている。ミドルマスは執行委員会で次のように話した。

「私たちは赤字に対処するために財政的な解決策を提示したが、会社側はその解決策を受け入れないことを選んだ。そのため、私たちとしては争議行為について組合員に投票を求めるしかない状況だ。私たちが関与せず、労働条件における最も大きな成果が奪われるままにすれば、次はどうなるだろうか」

  ミドルマスは、鉄鋼労働者は長く困難な12時間勤務に従事していると付け加えた。

 「ご存じのように非常に労働集約的な鉄鋼産業では、これまで60歳で退職することができた」

 「年金の全額を受給できるようになるまで、この産業で50年以上働かなければならなくなり、60歳で退職すれば30%減額される。私たちは政府の助言に従って、退職に備えて年金制度に保険料を支払った」

 タタ・スチールは、来年4月に現行年金制度を廃止する予定である。

  この決議はタタを交渉の席に戻す戦略の一部であり、インドとアメリカの鉄鋼労働者に支持された。

 別の声明で、鉄鋼部門担当のユナイト全国役員ポール・ロイターは次のように述べた。

 「労働組合は5カ月の集中交渉で8億5,000万ポンドの節約を会社側に提案したが、英国タタ・スチールは、極めて困難かつ肉体的に過酷な環境で懸命に働いている従業員が、退職時に当初約束された年金を受け取れるようにすることがイデオロギー的に間違っていると判断したわけだ」

 インダストリオールは今月初め、パリのOECD鉄鋼委員会でイギリスの鉄鋼労働者の苦況を取り上げた。またインダストリオールは、鉄鋼労働者を支持して世界中で組合を団結させるためにネットワーク会合を利用する計画も立てている。

 

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