第8回アジア金属労組連絡会議(AMLC)
2015-06-10
マレーシアのペタリンジャヤで開かれた第8回アジア金属労組連絡会議(AMLC)にアジア太平洋地域15カ国から約80人の組合員が集まり、アジアの金属産業における労働者問題について討議した。
広範囲にわたる議論を経て、2016年10月のインダストリオール大会前の同年夏に、JCM後援のアジア金属労組連絡会議(AMLC)を開催することが決定された。2017年以降は、会合形式の可能性を検討する。
AMLCはアジア地域のインダストリオール活動を補完してきた。今、これまでに達成された相乗効果を最大限に高めるために、活動を合理化する必要がある。長い歴史のあるAMLCは、そのさまざまな段階で地域の金属労組を支援してきた。
組合機構は開放的でなければならない。タイで達成された団結のように、組合間の団結は組合が生き残っていくうえで重要である。9月9日のインドでのストおよび韓国の労働者との(スト決行が票決された場合の)連帯が表明され、反アスベスト・キャンペーンの重要性が繰り返し強調された。
JCM(金属労協)の相原康伸議長とマレーシアのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織代表のムハマド・ハムダーン・ビン・ドーハリムによる歓迎の辞のあと、ケマル・ウズカン書記次長と南アジアおよび東南アジアの地域事務所所長が、インダストリオールのアクション・プランと地域での活動について発表した。
プレゼンに続いて、多国籍企業との交渉、組合構築、不安定雇用、グローバル枠組み協定をめぐって議論した。持続可能な産業政策の概念をより深く理解するための訓練や、企業・政府が労働組合を攻撃した場合の緊急基金の必要性が指摘された。
日本、フィリピン、インド、オーストラリア、マレーシアから、金属産業と金属労組の現状に関する国別報告が発表された。プレゼンテーションとそれに続く議論で取り上げられた共通の課題は、金属産業で不安定雇用が増え、政府が反組合的な態度を示すようになっており、労働組合に悪影響が及んでいることである。
韓国、インドネシア、シンガポール、スリランカ、タイの組合員が、各国における不安定雇用の問題と、この問題と闘うために労働組合が講じている措置について説明した。タイTEAMは不安定労働者の訓練センターを設立しているところで、今年8月に完成するだろう。問題と目標――不安定労働者の長期利用の制限、同一労働同一賃金の獲得、社会保険――は、どの国でも似通っている。議論の中で、「不安定雇用」の共通定義と地域全体の共通行動が必要であることが明確になった。この地域では、移民労働者と不安定労働者の問題が深刻化している。情報共有協力フォーラムとしてのAMLCの重要性が改めて表明された。
マレーシアのチャールズ・サンティアゴ議員がASEAN経済共同体について発言し、社会的ASEANの議題の必要性、労働者の権利を優先することの必要性を指摘した。この話を受けてケマル・ウズカンは、そのような経済体制の透明性の重要性を強調し、労働者の権利を承認し保護しなければならないと述べた。議論の焦点は、自由貿易協定とそれが労働者の権利に及ぼす影響だった。