インドネシアの労働者、フィリップスの組合つぶしに対抗してスト
2015-06-04
インドネシア金属労連(FSPMI)を通してインダストリオール・グローバルユニオンに加盟しているPTフィリップス・インダストリーズ・バタムの労働者600人は6月3日、経営陣による組合つぶしと不当解雇に抗議してストに入った。
労働者はフィリップス経営陣に以下のとおり要求している。
●経営側が開始した組合つぶしキャンペーンの一環として不当解雇されたFSPMIの組合役員と組合員を復職させること。
●インドネシアの労働権と国際労働機関の結社の自由に関する条約を尊重すること。
●労働組合PUK PTフィリップスを尊重し、交渉を再開すること。
今までのところ、経営陣は労働者の要求に応じることを拒否、威嚇や虐待の戦術を利用しており、スト参加者がトイレや食堂などの施設を利用したり、モスクで祈ったりすることを妨害している。
FSPMIによると、PUK PTフィリップス・バタムは2015年3月18日に登録された。バタムは自由貿易地区の地位を付与されたインドネシアの自治体で、労働組合に対して敵対的な態度を募らせていることで悪名高い。
PTフィリップス・インダストリーズ・バタム経営陣は2015年4月9日、同労組の公式登録通知を受け取った。まさにその翌日、経営陣は同労組の一般組合員を1人ずつ呼び出し、解雇通知に署名するよう強く迫った。その中には常用労働者も契約労働者も含まれていた。
労働者は組合役員の支援を受けて解雇の受け入れを拒否したが、会社の敷地から強制的に追い出され、ロッカーから身の回り品を持ち出す機会さえ与えられなかった。今年4月、合計83人のFSPMI組合役員と組合員がPTフィリップス・インダストリーズ・バタムに解雇された。
同労組は、不当解雇された労働者の復職について協議するために、何度にもわたって経営陣と交渉しようとした。しかし毎回、経営陣は作業効率を解雇の理由に挙げた。
解雇された労働者は同僚から実質的支援を受けている。従業員約1,900人のうち、さらに519人が4月末までに組合に新規加入した。
組合は可能な限りの手段を尽くしたが、経営陣を説得して労働者を復職させることができなかったため、5月末にストを発表して経営側に通知した。
ストは今日に至るまで続いている。インダストリオールは同社の現地・本社首脳部に接触し、この紛争を公正に解決しようと努めている。ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は、オランダのフィリップスCEOとインドネシアのPTフィリップス・インダストリーズ・バタム取締役に対し、「不当解雇された組合役員と組合員を直ちに復職させ、労働者に対する嫌がらせをやめ、自ら選んだ組合に加入する権利を尊重する」よう求めた。
ライナ書記長はPTフィリップス・インダストリーズ・バタムに対し、「FSPMIとの団体交渉を再開し、この紛争の公正かつ公平な解決の達成と建設的な労使関係の確立を目指す」ことも要求した。