第43回労働リーダーシップコースが開校
冬の京都に39名の受講生が元気に集う
次代のユニオンリーダーの登竜門

金属労協が主催する伝統のユニオンリーダーの登竜門である労働リーダーシップコースの第43回が、2012年1月11日(水)、京都・関西セミナーハウスにおいて、開校した。今回は、北は新潟、南は山口から39名の受講生が参加し、1月28日(土)まで合宿形式で研さんに励んでいる。受講生は、「時代の求める労働組合の役割」をメインテーマに、労働法、労使関係論、国際労働運動論など体系的な講義を受講するとともに、5回にわたるゼミナールを通して、ものづくり・金属産業における職場・組合における課題について指導講師の元で活発な討論を行うと共に、同じ金属の組合の仲間との友情を育みつつ全人格的な多彩な研修を受けている。


開校式1週目2週目3週目閉校式

■開校式
平田校長 八田名誉校長
 1月11日(水)午前10時からの開校式は雅びの京らしく琴の演奏で幕を開けた。最初に、平田哲校長が式辞を行い、「このコースでの合宿生活を通して、日頃背負っている枠や型を取り払って、組合自身の、そして人間としての原点を見つめ直し、自分自身で主体的にものを考え、主体的に行動を起こせるような基盤を再発掘する機会としてほしい」と述べた。
 つづいて、八田名誉校長が挨拶に立ち、「このコースには一般の大学教育と比べて3つの違いがある。ひとつは、受講生の皆さんが目的意識を明確に持って受講していること、二つ目には、皆さんのこれからの仕事や人生に役立つ飛躍の武器を手にする格好の機会であること、三つ目には、合宿制により同じ釜の飯を食べ、生活を共にすることにより、密度の濃い人間関係を築くことです。限られた期間ではありますが、是非密度の濃い研修としてほしい。そして、このコースが一生の思い出となること、一生付き合える良き仲間と良き先生との巡り会いの場となることを確信している」と激励した。
西原金属労協議長 中野厚労省政策統括官
 つづいて、主催者を代表して、西原議長が挨拶に立ち、「昨年3月の東日本大震災の発生を受けて、日本の様々な課題が見えてきた。その中で、働き方も含め、日本の行く末をどう作っていくのか、労働組合としてもどのような役割を果たしていくのか問われている。そういう意味で、43年間の労働リーダーシップコースの歴史の中でも、今回は特に重要な意義を持っていると認識している。受講生の皆さんには、合宿生活の中で、お互い価値観をぶつけ合って仲間をつくり、自分たちの組織や企業の枠を取り払って、これからの労働組合活動の基軸、あるいはこれからの人生の基軸となるものをつかんでほしい」と激励した。
 次に、来賓を代表して、厚生労働省の中野政策統括官から祝辞をいただいた。中野統括官は、「金属労協が、結成直後から指導者養成講座である労働リーダーシップコースを開講されてきた先見性に敬意を表したい。また、この第43回コースが立派な講師陣を迎えて開校されたことを心からお慶び申し上げたい」と述べた後、現在の東日本大震災を経て厳しい雇用情勢の元での、我が国の労働政策、雇用政策の考え方について言及した。@東日本大震災からの復興に向けての復興対策、雇用対策。A円高の雇用に及ぼす影響とその対応策、B今後の中長期的な労働政策、雇用政策について説明した後、「このコースに受講された皆様の今後のご活躍を祈っている」と激励した。
中條運営委員長 山口関西ブロック代表 香川副校長
 続いて、中條毅運営委員長が挨拶に立ち、「この2012年という年は歴史上において大きな転換点になると感じている。今、民主主義、資本主義が行き詰まっており、それに代わるものを模索している。企業だけみていても、国家だけ見ていても駄目であり、人間を基盤において、複眼的視野を持って、どのような理念を持って生きていけばよいか、このコースで考えてほしい。5人のゼミ講師と共に、大きな視点から新しい労働組合の理念を考えてほしい。」と激励した。
 続いて、地元関西ブロックを代表して山口代表が挨拶に立ち、「昨年は大震災があり、その復興に向けて一生懸命取り組んできた。ここらで一度立ち止まってしばらく充電する時期に来ている感じがする。今までのやり方が通用しないグローバル時代にあって、新しい日本のあり方、仕組みをもう一度考え直す時期に来ている。そんなさなかにこのコースを受けられる皆さんがうらやましい。未知の人と出会うことによって、新しい自分が発見で
受講生宣誓を行う茶木氏
きる。新しい自分を発見することが、新しい労働運動をつくることに通じる。是非、このすばらしい講師陣のもとで、多彩な価値観を持った仲間たちと大いに語り合い、新しい自分を発見して、新しい労働運動を牽引していってほしい」と激励した。
 続いて、香川副校長が挨拶に立ち、「こういうリフレッシュの機会を持つことは人生の中でもめったになく、皆さん方はラッキーだ。同じ釜の飯を食べて、深いつながりを持つ、築き上げた人間関係は一生の宝となる。是非積極的に参加して何かをつかんで帰ってほしい」と激励した。
最後に、受講生を代表して、フジクラ労組佐倉支部の茶木哲仁さんが受講生宣誓を力強く行い、開校式を終了した。

■開校講演
熱心に話を聞く受講生
続いて、開校講演として、西原浩一郎金属労協議長が、
「これからの労働運動とリーダー像」と題して講演を行った。西原議長は自身の労働運動の体験もおりまぜながら、労働運動の現状認識をはじめ、労働組合の基本的役割とその役割遂行のための条件整備、労働組合の力の源泉などについて考えを披露した。また、自身の体験からリーダー像についても考え方を述べた。
 

■オリエンテーション、グループ形成
 
「貿易ゲーム」でグループ形成
2週間半の健闘を祈り乾杯
後からは、オリエンテーションオンの後、高橋正氏を講師に「貿易ゲーム」を行い、グループ形成を行った。晩の夕食交流会では、平田校長の乾杯ですき焼きを食べながら交流を図った。その後の全体セミナーでは、全員が自己紹介を行った後、各ゼミの班長、副班長を互選した後、級長の選出に移り、石田ゼミ班長の濱 由征さん(全労済)が級長に選ばれた。第1回実行委員会の後、全員がラウンジに集まり、さらに懇親を深めた。