船舶解撤労働者に暴行
2022-03-17
【JCM記事要約】
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2022年3月17日:バングラデシュのカビール・スチール船舶解撤場で働く1人の労働者が、不当解雇に抗議したところ暴行された。
カビール・スチール船舶解撤場で働くこの切断工は2月、書面による命令なしで解雇された。インダストリオール加盟組織のバングラデシュ金属労働者連盟(BMF)による介入にもかかわらず、経営側は彼の復職を拒否した。そこでBMFは工場・施設検査局(DIFE)に正式に苦情を申し立てた。
DIFE提訴という労働者の行動に立腹した経営側は彼を虐待し、労働者本人によると暴行も加えた。
「カビール・スチール経営陣提訴を理由に労働者に加えられた今回の暴力行為を強く非難する。これらの威嚇戦術は受け入れがたいものであり、加害者に対して処置を取るべきだ」と松﨑寛インダストリオール書記次長は言う。
DIFEは、労使が問題解決に努めるよう勧めた。3月15日の労使会合後、経営側は労働者に謝罪し、3月20日までに補償金を支払うことに同意した。使用者は暴行に対する責任も認めた。
カビール・スチール船舶解撤場では、危険な労働条件が原因で何件か事故が発生している。1月31日には、1人の労働者が夜勤中に死亡した。地方新聞によると、この労働者の死亡事故は「国内外で船舶リサイクル産業に関する否定的な見方」を生んだため、工業省が解撤場の一時閉鎖を命じたという。
同省は昨年11月、クワジ船舶解撤場(別名カビール・スチール船舶リサイクル施設)に50万バングラデシュ・タカ(5700米ドル)の罰金を科し、この解撤場の環境問題と安全対策の欠如を理由に、4カ月間にわたって解体船の輸入を禁止した。この解撤場は、2019年にも同じような理由で操業停止になっている。
報告によると、カビール・スチール船舶解撤場は、船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約を申請している。